薬物乱用防止研修会

理事 沖田敏宜

日  時 : 平成16年9月5日(日)

開催場所 : 長崎原爆資料館ホール

「薬物依存症の理解と回復援助」

      講師 西脇健三郎先生(志仁会 西脇病院院長)

 講師は、薬物乱用者やアルコール中毒者の社会復帰を支援する活動を積極的に行なっていた。薬物中毒はストレスを抱え込んだ結果、アディクション症状(はまる症状)が引き金となり中毒となるケースがほとんどで、精神科病院の対応は、精神症状の急性期対応と患者の自然治癒力を引き出すことが大きな役割であり、医療行為は原則として急性期のみ行なうという話があった。薬物中毒患者の社会復帰を支援するグループに「ダルク」という組織があり、今回、そのダルクに実際入っていて、以前、薬物中毒であったA氏の体験談があった。20歳位から28歳位まで薬物(睡眠導入剤、咳止め等)を常用し、最終的には、1回に100錠位飲むようになった。A氏が薬物を始めた動機は、自分の居場所を求める為に飲むようになり、飲めばハイになる。薬がきれれば不安が現れ、またハイになる為に飲む。これの繰り返しであった。

「薬物乱用問題と薬剤師」

     講師 稲荷恭三先生(厚生労働省関東信越厚生局麻薬取締部長)

 最近の薬物乱用は、大麻は増加傾向にあるが、その他(覚せい剤、あへん系麻薬、コカイン)は、横ばい状態である。ただ、高校生の使用が減少しており、薬物乱用防止活動等により歯止がかかっているという内容であった。講演内容は、極一般的なものであり、こちらが期待する内容ではなかった様に思われる。

「依存性薬物の薬理」

     講師 藤原道弘先生(福岡大学薬学部臨床疾患薬理学教室教授)

 乱用される薬物は脳(こころの座)に作用することによって興奮させたり、抑制させたり、あるいは快感を与えたりする。しかし、薬物乱用の最も恐ろしい特徴は、何度でも繰り返し使いたくなる「依存性」を形成するという性質を持っていることである。先ほど、体験談を話したA氏も今は更生した様に見えるが、彼は、必ずまた薬物をやりだす。そんなに簡単に依存性はなくなるものでは無い。薬物乱用者をどうして更生させるかという問題以前に、薬物乱用をさせないという方に全力を注ぐべきだ。と、いう話が印象的であった。