平成16年度学校環境衛生・薬事衛生研究協議会報告書
会長 西村正広

日時:平成16年11月18日(木)・19日(金)
場所:茨城県(水戸市)

講義1「学校環境衛生管理の充実」
   講師:文部科学省スポーツ・青少年局学校健康教育課 健康教育調査官 鬼頭英明
 基準の改訂を中心に膨大な数のスライドで説明されましたが、時間がなく途中で終わっていまい、残念でした。その中で次のような事が参考になりました。
1.「シックハウス症候群」を学校施設が関係する場合は、「シックスクール」と呼ばれることもあるが、あくまでマスコミの造語であり、医学的根拠も定義もないため、使う  べきでない。
2.ホルムアルデヒドは、0.08ppmあたりに臭いの域値があり、基準の目安にもなる。
3.教室などの空気の検査場所は、普通教室については、同じ仕様であれば、一番濃度が高くなるところ、すなわち南向き高層階で1ヶ所実施する。
4.測定時の換気条件については、窓等を閉めて授業を行っている場合には窓等を閉めて行うなど通常の授業時の状態で行うこととしていたが、室内空気中における化学物質  対策を推進していくためには、外気の影響を受けることなく測定することが必要であ  ることから、今後、採取の際の換気条件については、窓等を閉めた状態で行うこと(この場合、児童生徒は在室させないこと)。
5.教室の空気の日常点検で、新たに、外部から教室に入った時、不快な「刺激」がないこととした。
6.参考になるホームページとして次のところをあげられた。
  健康的な学習環境を確保するために〜有害な化学物質の室内濃度低減に向けて〜
    http://www.mext.go.jp/a_menu/shisetu/shuppan/020601.htm
  学校施設における化学物質による室内空気汚染防止対策に関する調査研究
    http://www.mext.go.jp/a_menu/shisetu/shuppan/03090301.htm
  報道発表一覧(スポーツ・青少年)
    http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/sports.htm
  文教施設施策
    http://www.mext.go.jp/a_menu/01_i.htm
  調査報告(出版物案内)
    http://www.mext.go.jp/a_menu/shisetu/shuppan/main5_a12.htm

講義2「化学部の生徒と共に、霞ヶ浦の水質を調べて12年」
    講師:茨城県生活環境部霞ヶ浦対策課(前茨城県立土浦第二高等学校)長谷川博
1991年から休部していた化学部を復活させることから始められ、霞ヶ浦に流入する河川の水質調査を開始した。研究成果は、世界湖沼会議などに報告され、学園祭で環境問題の専門家や大学の研究者を招待しさまざまな立場で討議した「高校生たちの霞ヶ浦討論会」を開催し、それを記録集「わたしたちの霞ヶ浦は・・・」として出版している。

特別講演「子どもの力の引き出し方」〜これが木内マジック〜
   講師:第85回全国高等学校野球選手権大会優勝監督 
      常総学院高等学校副理事長 木内幸男
 甲子園には、春夏合わせて20回出場し、優勝3回、準優勝2回の成績を残している。平成15年第85回選手権大会での全国優勝を最後に、惜しまれながら勇退された。
長い監督生活(昭和26年土浦一高、昭和28年取手二高、昭和59年常総学院)のエピソードを独特の茨城弁で面白く話されました。茨城弁が、生徒の気持ちを捕まえ一致団結させる力のひとつになっているような気がしました。

部会別分科会 飲料水・プール部会
研究主題:「学校環境衛生の基準」に基づく飲料水や学校プールのよりよい衛生管理
「学校環境衛生の基準」に基づ学校プールの管理
              発表者:山口県下関市立垢田中学校   校長 藤井房雄
学校の飲料水およびプール水の衛生管理〜日常の管理を中心に〜
              発表者:茨城県阿見町立朝日中学校 養護教諭 大野智子 プールの管理では、大腸菌が検出された事、飲料水の管理では井戸水なので残留塩素濃度が基準に達しない日々が続き配管を設置し直したことなど、実情を発表され、発表後の討論が活発に行われました。指導助言者(愛知県教育委員会健康学習課主査の大嶌雄二先生)の発言も大いに参考となりました。
プールに関して
1.愛知県では腰洗い槽は、高濃度の塩素を目に入れた場合失明の可能性があるとして禁止している。そのかわり温水シャワーを全施設に設置しており十分洗い流すよう指導  している。
  東京都では、腰洗い槽をできるだけ使用するよう、また、毎時間毎に入れ換えるよう指導している。
2.塩素を注入して1時間したら水質がきれいになることを実験で証明しているので、授業開始少なくとも1時間前に塩素消毒をするよう指導している。(東京都)
3.愛知県では365日使用しているプールは年に2回水を入れ換えるように指導している。
4.プール水を中和して排水することに関して、愛知県の下水道課に確認したが、PHの規制はあるが、塩素濃度の規制はないという返事であった。下水管以外のところに排  水する場合は注意しなくてはいけないが下水管に排水する場合はどうなのだろうか。
飲料水に関して
1.井戸水を使用している学校は、残留塩素の濃度の現状を発表させられた。(私を含め2人。)残留塩素濃度が基準に達しない場合、受水槽・高置水槽の容量を少なくする  方法、また、塩素注入をしっかりするようアドバイスされた。
2.水質基準項目には、人の健康に影響を与える項目と生活利用上支障を及ぼすおそれのある項目がある。鉄さびは後者の方なので健康には影響ない。
3.活性炭+中空糸膜濾過の冷水器の管理の方法(残留塩素検出されない)が討論された。

参加者に「のぞましい学校環境衛生活動をするための組織と役割」茨城県学校保健会発行が配布されました。学校環境衛生の目的、法的根拠、活動の実践、検査の実際、報告書などから構成されており、参考になります。本会も様式集を作成する時に参考にしましょう。