Q&A

Q&A

水

残留塩素

本校では水道タンクが生徒数の割に大きすぎるため、タンクの水がなかなか入れ替わらず、遊離残留塩素を測定するのに1時間以上水を出しっぱなしにしても、なかなか反応が出ない。
タンクの大きさは普通に水道を使用する状況下では1週間は使えるほどの大きさとのこと。やはり、毎日0.1以上を確認しなければ水の使用は控えたほうがよいのか。年1回の検査では問題ないとのことだった。

学校環境衛生基準には給水における水が、遊離残留塩素を 0.1mg/L以上保持するように塩素消毒すること”とあります。
タンクを小さいものに変更するとか、受水槽内に自動で塩素注入する機械を設置する方法もあります。タンクを設置した業者へご相談されてみてはいかがでしょうか.

(2021.6)

飲料水の残留塩素濃度の上限は決められていないが、0.7mg/L以上でも、飲料水として特に問題はないのか。

上限は決められていませんが、水質管理設定項目の目標値は「1mg/L以下」となっています。
ただし、遊離残留塩素が高く喉等に違和感がある場合や、刺激臭があれば飲料は避けておくことが望ましいと思われます。

(2026.9)

飲料水の日常点検として、残留塩素測定の場所と回数は、どのくらいが適当ですか。

1日1回、色・濁り・臭気・味・残留塩素の検査を行って下さい。給水系統が複数ある場合(高置水槽が複数ある場合など)は、各系統末端など水が滞留しやすい場所で遊離残留塩素を測定して下さい。
(2026.9)

水道水の残留塩素がなかなか出にくい場合の対処法を教えてください。

天候や気温、水道施設の種類(直結、井戸水等)によって違いがありますが、朝、しっかりと水道水を流して測定してみて下さい。特に、児童・生徒数の減少等によって使用水量が少なくなっている学校では、受水槽内の水の滞留時間が長くなり、残留塩素が低下している可能性も考えられます。学校により施設が異なりますので、学校薬剤師に相談して下さい。
(2026.9)

飲料水の残留塩素が高濃度になることがありますが、人体への影響はないのでしょうか。

給水栓における水が、遊離残留塩素を0.1mg/L(結合残留塩素の場合は、0.4mg/L)以上保持するように塩素消毒をすること。
ただし、供給する水が病原生物に著しく汚染されるおそれがある場合又は病原生物に汚染されたことを疑わせるような生物若しくは物質を多量に含むおそれがある場合の給水栓における水の遊離残留塩素は、0.2mg/L(結合残留塩素の場合は、1.5mg/L)以上とする。
とあり、上限が決められていませんが、水質管理目標設定項目の中で、臭いに関する項目として目標値「1mg/L以下」が示されています。

参考:環境省「水道水質に関する基準等」 おいしい水研究会「おいしい水の要件」

(2026.9)

残留塩素の検査前に水を3時間流す、高架水槽の水位を下げる、夕方検査する、蛇口のフィルター掃除等で対応したが改善無し。(配管の老朽化や汚染が原因ではないかと言われている。)学校で可能な対応方法はあるか。

貯水槽内に、塩素濃度を上げる機械を取り付ける方法はある。または貯水槽を規模の小さいものに取り換える方法もある。
校舎内の一部の配管だけ問題がある可能性もあり。校舎別・階別に再検査をしてみる。

同時に蛇口内部の劣化の可能性もあり、特定の蛇口からのみ数値が基準値を満たしていないようであれば蛇口の交換が必要の可能性あり。

(2026.9)

毎日、水道水の残留塩素の測定をしており、いつもは 0.2-0.4mg/Lあるが、その日は0.0と全く反応が出なかった。
気温が高く連休明けという事も原因かと思われるが、どういった対応をすれば良いか。

「連休明け」など、水道水の使用頻度が低い日が続いた場合、水道管に残った水がサンプルとして採取される可能性がある。また、施設の末端に水道水が停滞している可能性もあるため、まず水道を数十分流してから、再検査するなどの対応が望まれる。

その上で、残留塩素濃度が0.1mg/Lを超えないようであれば、その水は飲料水として適合しておらず、飲水はできないと判断すべきである。
その後、高置水槽の場合は、その業者への相談対応を行う、高置水槽などでない場合は、管内の水道局・浄水場に問い合わせる等の対応が必要となる。

(2026.9)

飲料水(受水槽経由等)で「残留塩素」が0.1 mg/L未満だった場合の緊急対応はどうすべきですか?

1. 直ちに使用停止: 当該蛇口および同じ水系の飲用・洗顔・給食利用を即座に停止し、児童生徒へ掲示・周知します。

2. 通水(水押し): 長期休業明け等で配光内に水が停滞していた場合、数分間捨て水(通水)を行い、新鮮な水道水を呼び込んで再測定します。

3. 設備点検: 再測定でも0.1 mg/L未満の場合は受水槽や塩素滴下装置の故障、雨水混入等の汚染が疑われるため、施設担当者および水道事業者へ緊急連絡します。

根拠資料: 水道法第20条 / 文部科学省『学校環境衛生の基準』

(2026.10)

異物・色

保健室の衛生点検で、水の異物のチェックするように指摘されました。どのようにしたらよいのでしょうか?

水質検査項目の中に異物の検査項目はありません。日常点検で、1日1回、色・濁り・臭気・味・遊離残留塩素の検査を行って下さい。給水系統が複数ある場合(高置水槽が複数ある場合など)は、各系統末端で測定して下さい。
(2019.10)

茶色・赤色の水が水道水から出るのですが、しばらく、放流して使用するしか方法はないですか?

長い間、水道を使用しなかったりすると、赤い水が出ることがあります。これは、配管のさびが原因と思われます。最初の水を流しておくと無くなります。もしも、透明な水にならなければ、配管の異常が考えられますので、業者に連絡して下さい。様々な色の水が出た時の原因と対処方法を挙げていますので、参考にして下さい。

 赤い水
●原 因
主な原因としては水道配管(鉄管)のサビが考えられる。しばらく水道の蛇口を使っていなかったときや、断水のあとなどに赤水が出ることが多いが、最初の水を多少、流してあげればいつもの水に戻る。ただ、この場合配管の腐食が始まっているので、対応を考えておいた方が良い。
●対 策
コップに水を取って明らかに赤いときは、飲用を避ける。赤い水が出るときは、しばらく放流後きれいになってから飲用する。
●安全性
衛生上の有毒性よりも洗濯の時衣類を赤くする、お茶の味を悪くするという観点から基準値を定めている。鉄は少量であれば通常、重大な健康影響を起こすものではありませんが、赤水が出ている状態は、学校環境衛生基準でいう「水の外観に異常がある状態」に該当します。


 青い水
●原 因
銅配管から銅イオンが溶出することで発生する現象。
●対 策
○配管を引き換える。
○朝一番に使用する時等、長時間使用しなかった時は、使い始めの水に銅が多く含まれている恐れがあるので、約1分間位流した後に使用する。
●安全性
銅は人に必要な成分の一つで、食物などによって1日に摂取する量が2~5mgといわれている。水質基準値は1.0mg/L以下となっているが、これは味が悪くなるとか、青色現象を起こしやすいといったことから決められている。銅自身には、ほとんど毒性がないか、あるいは極めて小さいといわれている。


 白い水
●原 因
白水の場合でも、蛇口から出る水をコップなどに入れ、しばらく置いておくと透明の水になる場合は、水道水中に空気が溶け込んだだけの現象なので全く心配ないが、放置しておいても白濁したままであれば、亜鉛の溶出が考えられる。給水・給湯管として使われている亜鉛メッキ鋼管から、亜鉛が溶け出し(腐食)、水が白濁した状態である。
●対 策
空気が溶け込んだだけであれば問題なし。
亜鉛が溶け出しているのであれば、早急に配管を引き換える。


 黒い水
●原 因
普通、井戸水などで多く見受けられ、浴室タイル目地が黒っぽく変色することがある。これはマンガンを多く含むことにより、黒く変色する水道水質の異常。
●対 策
井戸から水道に引き換える。
除マンガン装置を取り付ける。

(2026.9)

管理

簡易専用水道と井戸水の水質検査回数は?

簡易専用水道は毎学年1回、井戸水は項目ごとに異なりますが、一般細菌や大腸菌などは原則、毎月1回検査する必要があります。
学校衛生環境マニュアルを参照ください。

(2026.9)

水道水は安全との事、蛇口に口をつけて飲んでいる子を見ますが、清潔でしょうか?

蛇口に口をつけるのは不衛生です。蛇口が上になっていると、蛇口にたまっている水の塩素が0になることがあります。良く流して使用すること、蛇口に口をつけると後に使う人はきれいと思うかな?と子供たちに指導をお願いします。
(2019.10)

長期休み明けの水質管理について教えてください

長期休業日明けの中でも、特に「夏休み明け」は、水道の水の水質に注意してください。長い間使っていないので、水にサビが混ざっていたり、濁っていたりすることがあります。

子供たちが、登校する前にバケツ1杯程度(10リットル)は、水を出して、衛生上の安全を確保し、夏期、冬期休業等で長期間使用しなかった場合には、特に多めに放水した後、遊離残留塩素の測定及び色、濁り、臭い、味を点検して下さい。

(2026.9)

夏休み期間中、児童クラブに来ている子供たちが水道水を飲んでいます。どのように対応したらよいですか?(養護教諭の不在が多いので)

飲料水としては水道は安全です。しかし、養護教諭が不在でも日常点検は行う必要があります。児童クラブが飲み水として使っている水道でかまいませんので、毎日、残留塩素を測定し記録を残してください。測定者はどなたでも構いません。
(2019.10)

毎日測定のない所でも、末端の水質検査で問題無ければ飲んでも良いでしょうか。

飲料水の日常点検として給水系統が複数ある場合は、各系統末端で測定していますので系統末端での検査結果が適合していれば問題ないと思われます。
(2015.11.11)

冷水器

冷水器の水質検査や管理をどのようにしたら良いでしょうか。

学校環境衛生基準では、冷水器は学校が供給する飲料水の一部として扱われるため、飲料水の水質検査の対象設備の衛生管理の対象になります。

年1回以上は飲料水検査と同様に検査するとともに、冷水器は冷却タンク・配管・蛇口があるため、冷却タンク内の清掃状況やフィルターの交換状況、蛇口・吐水口の汚れ・カビ・バイオフィルム、水受けトレイの汚れ・ぬめり、冷却能力(温度)も併せて確認すると良いでしょう。

水がぬるい、異臭・異味、吐水口に黒カビ、水受けトレイの汚れがひどいなどがあれば使用停止し、業者による点検・修理を実施してください。

(2026.9)

冷水器の残留塩素が全くでません。冷水器の水をひいてる水道水の蛇口からはギリギリですが0.15mg/Lまであるのですが。いかがでしょうか?

飲料水は残留塩素が 0.1 mg/L 以上あることが望ましいため、基準不適合です。
冷水器内部に問題があると考えられます。冷水器の使用を停止し、業者へ点検をするよう学校へ依頼してください。
点検後、残留塩素や一般細菌など基準適合が確認できてから使用を再開してください。

(2026.9)

プール

水質

プール水の「遊離残留塩素」や「pH」の基準値と、薬品投入時の安全管理を教えてください。

• 基準値:
o 遊離残留塩素:0.4 mg/L 以上 1.0 mg/L 以下
o pH値:5.8 以上 8.6 以下(理想は 7.0〜7.8)

• 薬品投入時の鉄則:
1. 児童生徒入水中の薬剤投入禁止: 塩素剤等の追加投薬は、必ず児童生徒がプール内にいない状態で実施し、完全に撹拌されてから入水させます。
2. 塩素ガス事故の防止: 次亜塩素酸ナトリウム(アルカリ性)とpH調整剤(酸性)が直接混合すると高濃度の有毒塩素ガスが発生します。保管場所を物理的に分離し、絶対混ぜないでください。

根拠資料: 文部科学省『学校環境衛生の基準』 / 厚生労働省『プールの衛生管理指針』

(2026.10)

洗眼

水泳指導後の洗眼については、軽く実施するとかやらなくてもよいという指導を受けているが、具体的な指導が難しい。

日本眼科医会では、水泳(プール)の後の水道水による洗眼を積極的に推奨していません。また、プールにはゴーグル使用が望ましい、とされています。
(2026.9)

プールで泳いだ後の洗眼について。

”塩素消毒したプールで泳いだ後に水道水で目を洗うと塩素で角膜が傷ついた目の表面の粘液が洗い流されてしまうことが、坪田一男・慶応大教授(眼科)らの研究で分かった。
厚生労働省や文部科学省はプール後の洗眼を呼びかけているが、逆に細菌やウイルスに感染しやすい状況を作っているという。米国の医学雑誌に発表した。

 研究チームは、20~30代の男女10人の協力で実験。国のプールの水質基準に従って塩素消毒剤を溶かした生理食塩水▽水道水▽生理食塩水▽蒸留水--で50秒間目を洗ってもらった。

 その結果、塩素消毒剤入りを使うと角膜上皮細胞が破壊される程度が他の3種類より激しく、目の表面の粘液を洗い流す作用も強かった。水道水も粘液を洗い流す作用は同程度だった。

 厚労省は発熱や結膜炎などの症状が出るプール熱の感染拡大を防ぐため、プール利用者に洗眼を呼びかけるよう、都道府県などに求めている。文科省は体育教員への指導手引で、水泳後の洗眼指導を例示している。眼科医の間では、プール後の洗眼は問題視されていたが、根拠となる研究が少なかったという。”
毎日新聞 2008年2月21日より。

参考:「眼科学校保健 資料集」

(2026.9)

細菌

プール水の細菌検査が大腸菌群から大腸菌に変わった理由と具体的な検査方法を教えて下さい。

19文科ス第155号 平成19年7月10日に「学校環境衛生の基準」の一部改訂について(通知)があります。ふん便汚染の有無をより正確に評価し、公衆衛生上の安全性を高めるためです。
ECブルー(特定酵素基質培地法)などで、検査をしています。

(2026.9)

日誌

プール日誌の保存期間について

使用期間中は、管理日誌に毎日の状況等を記載し、これを3 年以上保管することが必要である。

参考:プールの安全標準指針(平成19年3月)

(2008.5.27)

トリハロメタン

トリハロメタンの採水方法を教えてください。

総トリハロメタンを含むプール水の採水地点は、長方形(矩形)のプールでは対角線上におけるほぼ等間隔の位置3箇所以上の水面下20cm、および循環ろ過装置の取入口付近を原則とします。

参考:厚生労働省の通知(平成19年5月28日付 健発第0528003号)

(2026.9)

気温・水温

水泳時におけるプールでの水温と気温について教えてください。

水温の目安: 原則として22℃以上。快適に泳げる適温は26℃~31℃です。
水温と気温の差は、水温が若干低くても気温が高ければ不快感は少なく、反対に水温が高くても気温が低ければ快適ではありません。ここに示した水温はあくまで目安であり、プールを使用するかどうかについては、対象者の学年、能力、水温、気温、学習内容などを考慮して判断してください。
参考:
o厚生労働省通知(平成19年5月28日健衛発第0528003号)遊泳用プールの衛生基準について
o文部科学省「水泳指導と安全」
より

(2026.9)

採水場所・循環ろ過

水泳プールで検体の採水場所に循環ろ過装置の取水口とありますが、どこですか。

プール内の水を集めてろ過機械室へと送り出すために、プールの底(最深部など)や壁面、またはオーバーフロー(水があふれ出る溝)の底部に設けられています。

参考:文部科学省「プールの安全標準指針」(平成19年3月)

(2026.9)

補水

プールの補水を進められるのですが、予算の関係上補水は控えめにするようにという指導があります。補水についてはどうすればよいでしょうか。また、プールに落ち葉が多く、その都度網で取り除くのですが取っても取りきれず、仕方なく対応できる程度の状態で泳いでいます。衛生面からそのような状況下でも泳がしてよいでしょうか。また、何かよい対策はないでしょうか。

プールの補給水はプールの維持管理には大切な事柄です。一般に 1日にプールの深さで 10cm 程度の水があふれ出ると言われています。水深 1m のプールでは 1/10 の新しい水が加えられ、汚れを薄め、排出してきれいに保つ働きをしています。

循環ろ過式では、長期間継続してプールを使用しますので補給水の注入の効果はかなり大きく認められています。汚れの度合は過マンガン酸カリウム消費量の値で知ることができますし、学校環境衛生基準における水質基準を満たしていないといけません。

屋外にあるプールでは、油煙・タイヤ粉じん・枯葉等落下物の付着を防ぐにはオーバーフローさせたり取り除く事が必要です。また、プールを使用していない時間帯に落ち葉を防ぐためのプールカバー(リーフネット)も効果的です。

それでも取り除けない場合には、プール清掃の為換水が必要です。

(2026.9)

咽頭結膜熱(プール熱)

咽頭結膜熱とはどのような病気ですか。

アデノウイルスの感染により、発熱(38~39度)、のどの痛み、結膜炎といった症状を来す、小児に多い病気です。

プールでの接触やタオルの共用により感染することもあるので、プール熱と呼ばれることもあります。 通常、6月ころから徐々に流行しはじめ、7~8月にピークとなります。

(2008.7)

咽頭結膜熱にかからないためにはどうすればいいのですか。

流行時には、流水とせっけんによる手洗い、うがいをしましょう。
感染者との密接な接触は避けましょう(タオルなどは別に使いましょう)。
プールからあがったときは、シャワーを浴び、目をしっかり洗い、うがいをしましょう。

(2008.7)

咽頭結膜熱にかかったらどうすればいいのですか。

咽頭結膜熱は高熱が比較的長く(5日前後)続くことがあります。
しかし、特別な治療法はありませんが、ほとんど自然に治ります。脱水症状に気をつけ、水分をこまめに摂りましょう。
吐き気、頭痛の強いとき、せきが激しいときは早めに医療機関に相談してください。

(2026.9)

最近、患者数が増えているのはなぜですか。

診断キットによる普及によりアデノウイルスの感染が容易に診断されるようになったこと、関心が高まったことなどにより報告が増えている可能性もあると考えられます。

発生状況等については、厚生労働省ホームページ「咽頭結膜熱」及び国立健康危機管理研究機構ホームページ「咽頭結膜熱」を参考にしてください。

(2026.9)

日焼け止め

学校のプールでの日焼け止めクリームの使用について

文部科学省では、学校での、日焼け止めクリームの使用を禁じていませんが、判断は各学校や教育委員会に任されています。その理由としては、クリームによるプールの水の汚染をあげています。

しかし、現在、ウォータープルーフの製品がありますので、使用を認めています。
ウォータープルーフの製品は、石鹸を使わないと、とれません。家でゆっくり丁寧に洗うようにしましょう。

(2026.8)

汚物・異物

プールに汚物(便・嘔吐物)が混入した場合どう対応したらよいですか?

①汚物(便・嘔吐物)の除去する
②塩素濃度2~3mg/Lでろ過循環器を一晩中稼働する (またはスーパークロリネーションする)
③次の日、水質検査を行い、基準値内であれば遊泳可とする。
(参考:一般細菌は普通48時間判定にかかるがサンコリテップであれば24時間で判定)
  *残留塩素高濃度であれば、0.4~1mg/L調整する事*

汚物汚染ということで、生徒の精神面を考えて、プール水の全換水ということも考えられるが、水道代がかなりかかることになる。全換水の判断は、学校側で行ってもらう。


・・・スーパークロリネーション・・・
スーパークロリネーションとは、大量の塩素を投入し、アンモニアを分解させて水質を向上させる方法である。
プール水がpH7.0~7.5であることを確認してからスーパークロリネーションを行う。
プール水量100m3あたり塩素(ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム)1~1.5㎏投入し、循環ポンプを終日(24時間)運転させる。
(学校プールは水深1mとすると337m3:3.5~5㎏の塩素を投入する)

詳しくは下記アドレス参考
http://www.nippon-soda.co.jp/eco/hi-chlon/suishitu/a01.html

(2016.08.12)

プールに藻が生えましたどうしたらいいですか。

残留塩素の管理が不十分な場合、藻が発生することがあります。遊離残留塩素濃度を2~3mg/L程度に保ちながら濾過器を連続運転して殺藻処理してください。その後遊離残留塩素が1mg/L程度になるのを待って遊泳を開始します。藻の発生を防ぐためには、塩素が切れないことが第一です。

参考:公益社団法人 日本プールアメニティ協会ホームページ

(2026.9)

プール専用の井戸水からマンガンが飲料水の基準値を超えて検出されるのですが、対策方法を教えてください。

プールの原水は飲料水の基準に適合するものであることが望ましいとされています。除マンガン装置を設置するのも1つの方法です。また、井戸水の使用を止め、水道水へ切り替えるのが安全ですが、予算や水量の都合で難しい場合は、水道水と井戸水を混ぜて原水のマンガン濃度を基準値以下まで希釈して給水する方法もあります。
(2026.9)

腰洗い槽

プールの腰洗い漕について、使用時間の目安とシャワーとの比較(消毒具合)を知りたい。

学校における水泳プールの保険衛生管理のP66「大腸菌、ポリオウイルスを不活化するための塩素濃度と接触時間」、P68「大腸菌とウイルスに対する塩素の消毒効果」にもあるようにプール水の塩素濃度が規定通りに保たれていれば数十秒、数分で殺菌できます。

腰洗い漕では50~100mg/ℓと高濃度なのでもっと短い時間で消毒できると考えがちですが、便など大量の菌が付着した状態では10分浸漬しないと消毒できません。

腰洗い漕に数十秒しか浸かれない状態は消毒ではなく、あくまで短時間の洗体方法の一つと考えてください。シャワーについては、消毒効果よりも洗浄作用により体に付着した汗や汚れを洗い落とすことが目的になると思います。

体に付着した病原菌を洗い落とす方が消毒するより時間的に短縮できます。
従って、プールへの細菌、ウイルス、汚れの持ち込みを防ぐという目的からすれば、十分シャワーで洗い落とせば腰洗い漕の利用を省略できると思います。

  
※参考※
腰洗い槽については、循環ろ過装置及び塩素の自動注入装置があり、それを十分に機能させることができ、適切な水質が確保でき、さらに児童生徒の健康管理が十分に行われている場合には、必ず使用しなければならないものではない。

プールの施設・設備の整備が行われ、また塩素剤の品質が向上してきているので、それらの全ての機能が適性に維持されていれば、衛生的な管理を図ることが可能である。
その際入泳者には、シャワーを十分に浴びさせることにより、プールへの汚染の負荷をできるかぎり減少させることが必要である。

しかし、入れ替え式のプールは、水の浄化が常に行われないため、水質が悪化し、遊離残留塩素の濃度の維持が困難な場合も多いことから、その場合には、腰洗い槽の設備及びその使用は必要である。

しかし、腰洗い槽の使用は、プールを衛生的に保つために有効なものであることから、その使用、不使用については、それぞれの学校において、関係者の助言を得るなど、十分に検討し、決定するようにする。

一度に多数の児童生徒が入泳する学校の場合には、十分にシャワーで身体を洗浄することは時間的に困難な場合がある。したがって、比較的短時間で有効な腰洗い槽の使用は、学校プール水の衛生管理上有効な方法である。

腰洗い槽を使用する場合には、遊離残留塩素は50~100㎎/lとする。ただし、高濃度塩素剤に過敏な体質の児童生徒に対しては、腰洗い槽を使用させないで、シャワー等の使用によって十分に身体を洗浄するようにする必要がある。

(2015.11.11)

参考資料

プールの季節になりました水質管理の参考資料はありませんか。

厚生労働省の「遊泳用プールの衛生基準について」や文部科学省の「水泳指導と安全」をご参照ください。
(2026.9)

プールの安全標準指針

学校環境衛生の基準一部改訂(平成19年7月10日)でプールの安全に関しては、「プールの安全標準指針」を参照し適切な管理運営を行うこと。とありますが、プールの安全標準指針とはどのようなものですか?

平成19年3月29日に文部科学省及び国土交通省では、プール利用者の安全確保のため、プールの施設面、管理・運営面で参考となる留意事項等について統一的な指針として「プールの安全標準指針」を策定致しました。
(2007.8.8)

教室

空気検査

教室の空気検査をする場合、教室等は毎回変えたほうがよいのか。

必ずしも毎回教室を変える必要はありません。教室の配置や方位により教室内に形成される放射や気流環境等が異なること、また構造、設備等で換気条件も変化することを考慮して教室等を選定し、必要に応じて対象となる教室を変更するとよいでしょう。
学校関係者と相談しながら、学校全体の環境を適切に把握できるよう検査場所を選定してください。

(2026.9)

検知管用ガス採取器と検知管の使い方を教えて下さい。

産業保健情報誌「よさこい」2005.9月号にわかりやすい、記事がありましたので、紹介します。また、光明理化学工業のホームページで、北川式ガス採取器の使い方の動画を見ることができます。

”高知産業保健推進センター相談員
東洋電化工業㈱分析センター所長 中西 淳一

はじめに

 検知管用ガス採取器(真空方式/内容積100mL)は、ピストンの原理を利用してガス検知管内に測定したいガスを通気させるための道具です。吸引直後のガス採取器内の圧力は真空に近く、吸引が終了に近づくに従って外気の圧力に近づきます。
 ガス検知管は、測定対象ガスと反応して変色する検知剤がガラス管内に充填されています。ガス検知管の両端を折り、ガス採取器に接続し、ガス採取器のハンドルを引いてガス検知管内に測定したいガスを一定量通気させると、測定したいガスを検知剤が化学反応し変色します。この変色した検知剤層の長さや変色の度合いから濃度を測定することができます。
 今回は、当センタ-の北川式ガス採取器AP-20と検知管について、使い方をご紹介します。

始業前点検(リークテスト)

両端をカットしていない検知管を取付口ゴム管に差し込み、ボトムケ-スの赤線とシャフトの赤線を合わせ、ハンドルをいっぱいに引いて、シャフトをロックします。
1分間放置した後、シャフトのロックをはずし、シャフトが元に戻るかどうか確認します。元に戻ればリ-クテストは合格です。
(シャフトが元の位置まで戻らない場合は、取付ネジのゆるみ、取付口ゴム管の亀裂や劣化、グリスの消耗等が原因で空気が漏れていますので、別途保守が必要となります。その際は、労働衛生工学相談員におたずね下さい。)
測定

検知管の両端をカットします。
検知管の両端をチップカッタに差し込み一回転させキズを付け、検知管の根本を持ち、手前に傾けて折り取ります。
ガス採取器に検知管を取り付けます。
検知管は通気方向が定められていますので、通気方向を確認して、取付口ゴム管にまっすぐ差し込みます。
ハンドルを引きます。
ボトムケ-スの赤線とシャフトの赤線を合わせ、ハンドルを一気にいっぱいまで引くと、シャフトがロックされます。
試料ガスを採取します。
測定場所で一定時間試料ガスを採取し、フロ-インジケ-タで採取の終了を確認します。採取時間は各検知管の使用説明書に明記されています。
ハンドルを戻します。
試料採取後、ハンドルを右または左に90度回すとロックが外れます。この時シャフトが戻らないことを確認します。検知管によっては試料採取量が200mL以上のものもありますので、その場合は、ハンドルを押し戻し3の操作から繰り返して下さい。
濃度を読み取ります。
規定量の採取が終了したら、ガス採取器から検知管を取り外し、濃度を読み取ります。温度補正の必要な検知管は、補正表または補正係数により補正します。
検知管(直読式)の読み方

変色層の先端が平らな場合は、変色層の先端の数値を読み取ります。
先端の変色が淡い場合も、変色層の先端の数値を読み取ります。
変色層の先端が斜めの場合は、変色層の斜め部分の中間の数値を読み取ります。
温度補正の方法

 使用温度範囲(0~40℃)で、温度の影響を受ける検知管は、取扱説明書に温度の補正表または補正係数が示されていますので、必要に応じて補正して下さい。

(2011.6.17)

教室のCO2(二酸化炭素)濃度の目標値と、測定・評価のポイントを教えてください。

• 基準値: 『学校環境衛生の基準』では 1,500 ppm 以下 です(※感染症対策や建築物衛生管理基準の観点からは 1,000 ppm 以下 を目標にすることが望ましい)。

• ポイント: 1,500 ppmを超えると児童生徒の眠気や集中力低下を引き起こします。定期検査や日常点検で数値が高い場合は、授業中の窓の開き幅の拡大や対角線換気の再徹底を指導します。

根拠資料: 文部科学省『学校環境衛生の基準』

(2026.10)

教室での二酸化炭素濃度が1,500ppmを超えた場合はどのようにすればよいですか?

基本的には入口の扉、欄間、窓などの開け方を工夫し(対角線上に開ける等)、自然換気を適切に行います。必要時にはサーキュレーターも検討してください。

また機械での換気が行われている教室等では換気能力の再確認、運転時間の検討、機械類等の再整備等をおこなってください。

(2026.9)

空気検査は1年に2回検査することになっていますが、時期はいつがよいですか?

寒い時期は暖房機器の関係で換気が不十分になりがちですし、暑い時期はクーラーの関係で窓を閉め切り換気が不十分になりやすいです。どの時期に検査するかは学校関係者としっかり協議して様々な背景を考慮した上、実施してください。
(2026.9)

エチルベンゼンの学校環境衛生検査について
①基準(3,800⇒370)と、検査方法が改訂されたが、本年度は検査の実施が必須か。

基準と検査方法は変わったが、検査実施の条件が変わったわけではないので、従来通り、「必要と認める場合(エチルベンゼンの使用が疑われる時)に毎学年1回定期に検査を行う」ものである。

ただし今後、従来基準で適合していた施設でも新しい基準では再評価が必要となることが想定される。一方で、前回検査の記録が新基準を満たしていない場合には、本年度検査を実施することが必要と考える。

(2026.9)

エチルベンゼンの学校環境衛生検査について
新検査方法(固相吸着―溶媒抽出法、固相吸着―加熱脱着法のいずれかの方法により採取し、ガスクロマトグラフィー/質量分析法により測定)について


①検査方法の変更により、使用する器具もこれまでと変わってくるのか。
   →変更がある。
②検査に使用する器具を借りることができるか。
   →ガスクロマトグラフィー検査には専門の機器が必要。
③検査には費用がいくらほどかかるか。また、この費用は、改訂前と比べて変わるか。
   →分析専門にお問い合わせください。

(2026.9)


工業高等学校の実習教室の粉じんを検査したところ、非常に高い濃度だった。
学校保健法は普通教室に対する基準だが、工業の場合は企業の安全管理の基準や対策をもとに考えるのか。

山口県の工業高等学校において、工業高等学校用の基準や規則などがあるのかも合わせて確認したい。

学校環境衛生基準によると特定の高校(ここでは工業高校)に対する安全管理に対する基準は記載されていない。
学校環境衛生基準では、0.1㎎/㎥を超えた場合はその原因を究明し適切な措置を講ずること、また、換気方法や掃除方法を改善する旨の記載があり、工業高校の実習室にも普通教室と同様。
ただし、汚染リスクが高いと判断した場合、マスクの着用や特別な換気等の対処が必要となる。

学校環境衛生基準では工業高等学校などの特定の学校に対する基準や規則はなく、各学校の特性を考慮した上での対応となる。

(2026.9)

ダニ

学校環境衛生基準では、ダニ捕集のため保健室の寝具などに電気掃除機を使うとありますが、普通のフローリング掃除に用いる電気掃除機を使用しても良いでしょうか。又は布団用掃除機を使用した方が良いでしょうか。フローリングなどに用いる電気掃除機を寝具に当てて使うことは衛生的に大丈夫でしょうか。

フローリング掃除に用いる電気掃除機で構わないが、その際はヘッド部分を布団専用の物に交換することが望ましいです。
交換用ヘッドがない場合は、洗浄して清潔にしたヘッドで検査して下さい。そのまま使用すると、他の場所のダニが付着している場合があります。
(検査用の掃除機またはヘッドを持参する時もあります。)

(2019.9.7)

ダニ検査の基準である100匹/㎡以下という根拠はなんですか?

ダニの基準値は、1 ㎡当たりのダニが100 匹以下になると喘息の発作が治まったという報告があることなどから、100 匹/㎡以下であることとされています。
(201511.11)

保健室の寝具や特別教室のカーペット等はダニが発生しやすいと聞いたが、気をつけること、やっておくと良いことはありますか?

電気掃除機を用いて日常的に掃除を丁寧に行い、掃除方法の改善をしてください。
その際、集じんパックやフィルター等の汚れの状況を確認し、電気掃除機の吸引能力が低下しないように注意してください。

保健室等の寝具や幼稚園等において昼寝に使用する寝具は、定期的に乾燥を行い、布団カバーやシーツを掛け、使用頻度を考慮し適切に交換してください。
布団カバーをのり付けすることによって、布団の中からのダニの出現を防ぐことができます。
(2026.9)

ダニスキャンとは?また、入手方法を教えて下さい。

ダニスキャンは、ダニアレルゲンの測定キットの1つで、アサヒフードアンドヘルスケア株式会社の商品ですが、学校環境衛生検査基準の検査方法として認められていません。簡易測定法として、マイティチェッカー法があります。
住化エンビロサイエンス株式会社のホームページを参照して下さい。

(2016.3.25)

屋内塵性ダニ簡易検査キット マイティチェッカー(シントーファイン㈱製-リオンテック㈱) の入手方法を教えて下さい。

財団法人 日本学校保健会が斡旋しています。
送付先と数量を記入しFAX (03)3592-3898で申し込んで下さい。

申込ページ:https://www.hokenkai.or.jp/assen/kankyo2.html

また、近隣の測定機器取り扱い店でも購入できます。

(2004.9.13)

検査の時期はいつがよいですか?

学校環境衛生基準では温度及び湿度が高い時期に検査を行うこととされています。ダニは温度及び湿度が高い時期に繁殖し、そのアレルゲンを考慮すると6月~9月頃が良いと思われます。
(2026.9)

検査場所がどこがよいですか?

普段の掃除や換気が不十分と思われるカーペット敷の部屋や教室、畳の部屋、保健室の寝具等が考えられます。ダニが発生しやすい場所を学校関係者とよく相談しながら実施してください。
(2026.9)

騒音

定期検査の騒音について、騒音がない場所でも検査が必要なのでしょうか。

教室が全くの無音の状態という事はありません。騒音をはっきりと数値で測定してみる必要があると思われます。
ただし、測定結果基準値を著しく下回る場合には、以後教室等の内外の環境に変化が認められない限り、次回からの検査を省略することができます。
(学校環境衛生管理マニュアル参照)

(2026.9)

工事等で騒音がある場合の対応はどのようにしたらよいのでしょうか。

授業中に窓を閉め、防音カーテン、防音ボード等の方法がありますが、夏場、冷房のない教室で窓を閉め切ると熱中症等の危険性があります。

• 臨時検査の実施: 学校薬剤師に依頼して騒音計による「臨時環境衛生検査」を実施し、客観的な数値(基準値:窓全閉 50 dB以下、全開 55 dB以下)を測定・記録します。

• 業者・設置者への要望: 客観的データに基づき、授業時間帯の打撃音工事の禁止、防音シートの増設、大きな音の出る作業の時間帯変更(放課後実施等)を作業業者へ要請します。

根拠資料: 文部科学省『学校環境衛生の基準』

(2026.9)

検査場所はどこがよいですか?

授業が行なわれる日の授業が行われている時間帯で、騒音の影響が大きい教室等を選び、児童生徒等がいない状態で等価騒音レベルを測定します。
授業が行われない日、又は学校行事や地域の行事がある日などは、通常の授業が行われる日と状況が異なる可能性があるため望ましくありません。

(2026.9)

黒板

電子黒板やプロジェクターの画面が見づらい・眩しいと言われます。検査や配置で注意すべき点は何ですか?

ICT機器(電子黒板・大型提示装置)の導入に伴い、「画面の映り込み(グレア)」や「明るさ(照度)の不均衡」に関する相談が増加しています。

•画面の反射(グレア)対策: 窓からの外光や室内照明(蛍光灯・LED)が画面に映り込まないよう、ディスプレイの角度を微調整するか、遮光カーテン・ブラインドを活用してください。
•明るさの調整: 周囲の明暗差が大きすぎると児童生徒の目の疲労につながります。教室全体の照度(基準:500ルクス以上)と電子黒板の輝度のバランスを調整してください。
•視認性の確認: 検査時には、教室後方や左右端の席(最悪条件の席)から画面が見えにくくないか(文字の潰れや色合いの判別)を実際に座って確認することが重要です。

•根拠資料:
o文部科学省『学校環境衛生の基準』(照度及びグレア検査等)

(2026.8)

チョーク粉(粉じん)の飛散防止や、黒板ふきクリーナーの維持管理はどうすればよいですか?

黒板ふきクリーナーの集じんフィルターが詰まっていると、チョーク粉が教室内に舞い散り、呼吸器系への刺激や室内空気(浮遊粉じん)の悪化につながります。

•集じん袋の清掃・交換: 黒板ふきクリーナーの集じん袋(スポンジフィルター等)は、週1回以上定期的にチョーク粉を捨て、水洗いまたはフィルター交換を行ってください。
•黒板消し(スポンジ)の手入れ: クリーナーで吸い取るだけでなく、定着したチョーク粉を屋外で軽く叩き落とすなど清潔を保ちます。
•ダスレスチョークの活用: 粒子が重く飛散しにくい「炭酸カルシウム製チョーク(ダスレスチョーク)」の使用を推奨します。

•根拠資料:
o文部科学省『学校環境衛生の基準』第1(換気及び保温等 - 浮遊粉じん)


(2026.8)

有彩色(緑色)の黒板面を標準色票(色相判定表)を用いて検査する際の手順と合否判定基準を教えてください。

有彩色(緑色)黒板の色彩検査は、教室の照明・視認性を適切に保ち、児童生徒の眼精疲労や見えづらさを防ぐために実施します。手順と判定基準は以下の通りです。

【検査手順】
1.色相の同定: 「黒板用標準色票」のうち、まず色相判定表を黒板面に直接当て、最も近い色相(例:5Gなど)を選んで記号を読み取ります。
2.明度・彩度の判定: 決定した色相カード(例:5Gの判定表)を黒板面に当て、記載されている各色票と黒板面を比較し、最も近い明度および彩度の色票を選定します。
3.複数箇所の測定: 黒板は中央だけでなく、左右端やチョーク残量が残りやすい場所など、視認性に影響する複数箇所(一般に9箇所程度)で測定を行います。

【判定基準(合否)】
•判定: 測定した箇所のうち1箇所でも明度が4を超え、または彩度が4を超える場合は「不合格」となります(明度・彩度ともに4以下であることが適合基準)。
•背景: 明度や彩度が高すぎる(白っぽい、あるいは鮮やかすぎる)と、チョークの文字とのコントラストが低下し、眩しさ(眩輝)や文字の読みづらさの原因となります。

•根拠資料:
o文部科学省『学校環境衛生の基準』(平成21年文部科学省告示第60号 / 最終改正:令和4年)
o日本学校薬剤師会『新訂 学校環境衛生の基準解説書』
o日本産業規格 JIS S 6007(黒板)


(2026.8)

電子黒板やホワイトボードの明度・彩度はどのように測定するか。検査は不要か。

学校環境衛生管理マニュアル等において、電子黒板自体の「明度・彩度」の定量測定や専用の数値基準値は規定されていない。そのため、従来の黒板のような一律の測定検査は必須とは言えない。

ただし、視環境の不良は眼精疲労や姿勢不良につながるため、各階1以上の教室等において映り込み、まぶしさ、照度バランスを実施することが望ましい。

その際、マニュアルでも示されている通り、文部科学省の『児童生徒の健康に留意してICTを活用するためのガイドブック(文部科学省)』を適宜参考に、明るさ調整や配置・遮光などの環境管理・指導を行うとよい。

(2026.9)

照度

照度検査をする際、注意することを教えてください。

白衣を着用すると反射により照度が実際より高くなるため、黒っぽい服を着用します。
腕を伸ばして身体と照度計の受光部とをできるだけ離すようにして、身体の影や服からの反射光の影響を防ぐようにしてください。

(2026.9)

教室の中で照度の差がかなりある場合、対策方法はどのようにすればよいですか?

晴天の日教室内の最大照度と最小照度の比が20:1を超える場合等、カーテン又はブラインドを付けるか、あるいは窓の外に日覆を付けることを検討してください。
(2026.9)

パソコンディスプレイの照度の測定方法はどのようにしたらいいでしょうか。

日本学校薬剤師会のQ&Aでは次のようになっています。

Q: テレビ及びディスプレイ画面での、垂直面照度の測定方法

A: 画面からの影響を防ぐためにスイッチを消した状態で画面の中央部分の垂直照度を測定する。方法としては照度計の受光部の背面を出来るだけ画面に密着させて形状に合わせて測定します。100~500ルクス程度が望ましいといえます。
なお、コンピュータ設置教室の机上の照度は500~1000ルクスが望ましく、画面等に反射や陰が見られないようにします。

また、厚生労働省の「VDT作業における労働衛生管理のためのガイドライン」(平成14年4月5日)では次のような記載があります。

(1)照明及び採光
イ  室内は、できるだけ明暗の対照が著しくなく、かつ、まぶしさを生じさせないようにすること。
ロ  ディスプレイを用いる場合のディスプレイ画面上における照度は500ルクス以下、書類上及びキーボード上における照度は300ルクス以上とすること。
 また、ディスプレイ画面の明るさ、書類及びキーボード面における明るさと周辺の明るさの差はなるべく小さくすること。
ハ  ディスプレイ画面に直接又は間接的に太陽光等が入射する場合は、必要に応じて窓にブラインド又はカーテン等を設け、適切な明るさとなるようにすること。

(2)グレアの防止
ディスプレイについては、必要に応じ、次に掲げる措置を講ずること等により、グレアの防止を図ること。
イ  ディスプレイ画面の位置、前後の傾き、左右の向き等を調整させること。
ロ  反射防止型ディスプレイを用いること。
ハ  間接照明等のグレア防止用照明器具を用いること。
ニ  その他グレアを防止するための有効な措置を講じること。

(2008.12.5)

照度が不足しています。対応について教えてください。

第30回山口県学校環境衛生研究大会の資料である照度管理Q&Aを参照して下さい。
(2006.6.24)

揮発性有機化合物

健康への影響としてどのようなものがありますか?また原因になりそうなものとしてどのようなものがありますか?

目の痛みや不快感・鼻・喉への刺激、頭痛、疲労や脱力感、めまい、吐き気などの症状を起こすことがあります。
特徴的なものはなく、判断は難しいです。

特定の教室を離れると症状が軽減又は治まる場合は、シックハウス症候群を疑い対応する必要があります。原因として断熱材、複合フローリング、美術用品などで使用される塗料や接着剤等が考えられます。

また、油性ペン、ホワイトボードマーカーや化学実験の為の薬品も放散源となる可能性があるので備品の購入に際しても注意が必要です。

(2026.09)

測定する教室等はどのように選定すればよいでしょうか?

児童・ 生徒や教職員が異常を感じたことのある教室、パソコン室・音楽室・図工室・視聴覚室等のいずれかの特別教室等で過去検査をしていない教室・新築・改築・改修や備品の更新等により化学物質の発生が懸念される教室が考えられます。
また、机や椅子、コンピューター等、備品を新たに採用し化学物質が発生する恐れがある際にも臨時検査をすることが望ましいと考えられます。

学校関係者とよく相談しながら実施してください。

(2026.09)

学校薬剤師によるVOC測定(トルエン、キシレン等)について

学校環境衛生基準におけるVOC測定について、検査機関に依頼すれば経費が高額となることから、学校薬剤師による簡易測定が対応可能であるか検討しました。VOCについて、トイレ改修、耐震工事等での窓枠工事、廊下のボード取り替え工事等でトルエンが基準を大きく超え再検査となる事例があり、とくに教室、トイレ等の改修工事の後等での高温期には検査を必ず行うことが望ましいと考えられます。

 ◆学校環境衛生基準値 ホルムアルデヒド及び揮発性有機化合物(ア、イは年1回、その他は必要時)
  ア ホルムアルデヒド 0.08ppm(100μg/㎥)以下
  イ トルエン 0.07ppm(260μg/㎥)以下
  ウ キシレン 0.05ppm(200μg/㎥)以下
  エ パラジクロロベンゼン 0.04ppm(240μg/㎥)以下
  オ エチルベンゼン 0.88ppm(3800μg/㎥)以下
  カ スチレン 0.05ppm(220μg/㎥)以下

 ◆学校薬剤師による簡易検査の例
  1.自動ガス採取装置(GSP-300FTシリーズ等)(現基準では、ホルムアルデヒド、トルエンのみ測定可能)
    ¥105,000(参考) トルエン検知管10本 ¥2,500程度
    自動ガス採取装置で30分間吸引して検知管を読み取り
     https://www.gastec.co.jp/product/detail/id=2126
    ※石けん膜流量計等により、月1回、最低でも年1回の校正が必要
    ※検知管による簡易検査のため、毎年検査必要

  2.(株)オーピス 測定バッジ(ホルムアルデヒド以下、全6種類が測定可能)
    8~24時間室内に吊るして、オーピス指定の検査機関に郵送で提出 検査費込み1個5,610(税込)
     オーピスHP掲載の様式で直接申し込み
     測定バッジF ホルムアルデヒド用
     測定バッジV5 トルエン・キシレン・スチレン・エチルベンゼン・パラジクロロベンゼン用(1個で5種類の同時測定が可能)
    ※翌年以降の検査省略規定に準拠
      http://www2.odn.ne.jp/opis/index.html
      http://www2.odn.ne.jp/opis/pdf/torisetsu_detail_school.pdf(取扱説明書)

(2021.06)

ホルムアルデヒド検査を夏期に行う時、クーラーをつけて実施した数値を基準値と比較すれば良いですか?

夏季高温期に発生しやすい化学物質を測定するための検査であるのでクーラーはつけない。
(高温状態のまま測定する)
ppmでの測定値を換算する場合はこちら→【ホルムアルデヒドの重量/体積濃度への換算】
  測定値(μg/㎥)= 測定値(ppm)× 30.03/22.4 × 273 /(273+t)×1000
  ホルムアルデヒドの分子量:30.03
  0℃、1 気圧での分子 1mol の容積(ℓ):22.4
  温度:絶対温度(K)を用いる。0℃が 273K に相当するため、t℃は(273+t)で計算となる。

(2017.10.01)

先日空気検査(HCHO,VOC)を実施したのですがホルムアルデヒドが基準値を超える結果となりました。どういう指導が適切か、教えていただけないでしょうか。

次の点を指導してあげてください。
1.原因となる発生源を推定する。可能ならば取り除く。
2.換気を十分に行う。
(休み時間には、窓を全開する。授業中は、対角線上に戸と窓、又は欄間を開けておく)
3.吸着剤を使用する。
  炭を教室の隅に置いていい成績をあげた報告があります。
  他にピーナッツの殻、茶殻も吸着効果があるといわれています。

(2005.08.25)
(2021.06.08)VOCを削除→「学校薬剤師によるVOC測定について」を参照

ホルムアルデヒドのスクリーニング法の試料採取時における留意事項を教えてください。

日学薬の平成15年7月31日付けの事務連絡で次のことに留意してくださいとあります。従来は授業等をおこなっている場合は通常の授業の状態で検査を行ってもよいとされていましたが、今後は、採取の時の換気条件については窓等を閉めた状態で子ども達の在室しない時に測定を行うこととされました。

事 務 連 絡 
平成15年7月31日
日 学 薬 理 事 者 各 位
都道府県学校薬剤師(部)会会長各位

日本学校薬剤師会  
会長 杉下 順一郎

ホルムアルデヒド及びVOC検査について
平素より本会会務に格別のご高配を賜りまして厚く御礼申し上げます。
 さて先日、ホルムアルデヒドの測定についてスクリーニングとして簡易法が通知され、それに伴い空気の捕集方法について変更がなされたため、7月9日付けの事務連絡にてお知らせしたところであります。
 そのことにつきまして、さらに次の点に留意して測定に従事していただきたく、何卒、会員へのご周知方、よろしくお願い申し上げます。

記

ホルムアルデヒド、VOCの検査については、アクティブ、パッシブ、スクリーニング法ともに、前処理として30分換気の後、5時間以上密閉してから後、それぞれ所定の方法で行う。
空気の捕集は子ども達の在室しない時に行い、空き教室、土、日の測定も可能である。
また、測定値が基準値の1/2以下の場合には次年度検査を省略しても差し支えない。

1.定期検査は、アクティブ、スクリーニング法は午前、午後の2回、30分吸引して空気を捕集する。パッシブ法は1日1回8時間以上空気を捕集する。
測定値はそれぞれの値を記入し、スクリーニング法のみ 0.04ppm 以上の値が検出した場合はアクティブ、パッシブ法で再検査して確認をする。 

2.臨時検査(新築、改装、増築などした場合)は午後2時~3時を挟んで2回連続して吸引測定をする。アクティブ、スクリーニング法では午前と午後の2回吸引ではないことを留意すること。
ただし、午前中当該教室に日射が当たり、温度が高くなる場合にはその時点で吸引測定をする。
パッシブ法は1.の通り同様である。

3.換気方法は第1種換気(吸気、排気ともに機械によるもの)は稼働した状態で行い、それ以外のものはOFFとする。したがって換気扇などはOFFの状態とする。
但し、パッケージ型エアコンはONの状態とする。

(2005.6.28)
(2021.6)VOCを削除→「学校薬剤師によるVOC測定について」を参照

ホルムアルデヒドのスクリーニング法として使用しても差し支えない測定器を教えて下さい。

次の通知を参照して下さい

2004.08.10 学校における室内空気汚染対策について

参考資料:スクリーニング法として使用しても差し支えない測定器
・FP-30 理研計器株式会社
・710 光明理化学工業株式会社
・XP-308B 新コスモス電機株式会社
・91P 株式会社ガステック
・91PL 株式会社ガステック
・TFBA-A 株式会社住化分析センター
・IS4160-SP(HCHO) 株式会社ジェイエムエス
・ホルムアルデメータhtV 株式会社ジェイエムエス
・3分測定携帯型ホルムアルデヒドセンサー 株式会社バイオメディア
・FANAT-10 有限会社エフテクノ

(2004.10.26)

湿度

湿度が80%以下でも不快に感じるため、50~60%を保つのに冷房のドライと除湿器を使用する他に方法はありますか。

体に感じる蒸し暑さは気温と湿度以外に風速等の条件によっても左右されるため、不快指数だけでは必ずしも体感とは一致しないと言われています。
(※気象庁HPより)
除湿のみに着目しても、不快感の解消にはつながらない場合があります。
扇風機の使用等、気流等も含めて考える必要があります。
(湿度が80%の時は25℃以上が不快となります)
(2019.9.7)

加湿器・加湿

学校における加湿器の使用について、効果や管理についてどのようにされているか。

一般的なコロナウイルスにおいて、適切な相対湿度下ではウイルスの生存率が低下することがわかっていますが、教室で加湿器を使用する場合は、とくに衛生面での管理が重要です。山口県学校薬剤師会HPのQ&Aを参考にしてください。 また、次亜塩素酸水を空間噴霧用液として使用する例がありますが学校では使用しないでください。(感染症対策参照)
(2020.10)

冬季の加湿器の使用について、注意点は?

加湿器は、カビが発生しやすく、そのまま使用すると加湿器病になります。
注意点は
1.タンク内の水は、毎日新しい水道水と入れ替えてください。タンク内の水を捨て、きれいな水を少し入れ、振り洗いしてから、新しい水を入れて下さい。水は、必ず水道水を使用する事。
2.週1回程度、掃除機などで吸気口のほこりを取る。
3.フィルターの定期的な手入れ、交換が必要です。詳しくは、加湿器の取り扱い説明書をご覧ください。
4.壁や窓に水滴が発生した場合、ほおっておくとカビの発生の原因になります。乾いた布でこまめにふき取って下さい。
(H27.11.11)

教室の加湿方法は何かありますか?効果も教えてください

教室において加湿器を使用しない方法として、タオル掛け、モップ掛け、新聞紙による自然蒸散等の方法がありますが、加湿器以外で行う方法としてはいずれも効果がなかった¹⁾。という報告があります。
灯油ストーブなどの燃焼器具を用いた場合は燃焼による加湿効果が多少見込まれます(1時間当たり200~300mLの水分)が、エアコンでは加湿機能のあるものは少ないです。
教室の広さは180㎥ほどあり、湿度を上げるには1475mL/hrの加湿が必要です。40畳用などの大型加湿器が入用となります。また、換気をすることで室内の湿度は下がることも想定されます。
空気中に漂うウイルスは湿度が低いと舞い上がりやすいです³⁾が、感染防止には空気の流れを作りよどませないことです。昨今はマスク生活であるため、加湿にこだわるより、換気を重視して環境を考えられてはどうでしょうか。加湿器は、保健室や職員室などに限定して設置されることをお勧めします。

参考文献
1)加湿器を用いない加湿方法の検討:奈良県薬剤師会学校薬剤師部会 田原宏一、令和3年度学校環境衛生薬事衛生研究協議会p32‐36
2)ダイニチホームページ 必要加湿量計算フォーム
3)飛沫やエアロゾルの飛散の様子を可視化し有効な感染対策を提案~「富岳」による新型コロナウイルス対策その1|理化学研究所 計算科学研究センター(R-CC)(riken.jp)
(2021.12)

エアコン

夏場や冬場にエアコンを稼働しながら効果的に換気を行うにはどうすればよいですか?

一般的な学校用エアコンには換気機能がありません(室内空気を循環・温度調整するのみ)。冷暖房稼働時も以下の方法で換気を継続してください。

• 窓の開放: 対角線上の2箇所の窓を常時10〜20cm程度開ける(可能なら4方向またはらんまを開放)。
• サーキュレーター・扇風機の活用: 空気が滞留しやすい隅や窓から外に向けて扇風機を回し、空気の通り道を強制的に作ります。
• 全開換気: 休み時間ごとに窓を全開にして一気に空気を入れ替えます。
• 全熱交換器(ロスナイ等)の稼働: 設備がある場合は窓を閉めたまま安全に換気が可能です。

根拠資料: 文部科学省『学校衛生管理マニュアル』

(2026.10)

教室にエアコンが設置されます。気を付ける点について教えていただきたい。
・エアコン使用する教室の衛生管理について(湿度や換気などについて)夏場、冬場それぞれ詳しく知りたいです。
・冷暖房使用中の換気 (コロナ)感染症対策
・換気をしながら室温や湿度をどのようにして保つべきか。
・エアコン可動時の換気について。

一般的なエアコンは室内の空気を循環しているだけで、室内の空気と外気の入れ替えを行っていないことから、文科省のマニュアルを参考に、冷房時、暖房時を問わず、換気を行ってください。
〈換気の方法〉 (夏季も冬季も同じです)
① 休み時間ごとに全窓開放し外気とほぼ同等の空気環境にする。授業中は常時、教室内の対角線上の1つ以上の窓を同時に開け、自然換気する。
② 天候などの状況により、窓開けが困難な場合は、こまめに、30 分に1回以上、数分間程度、全窓開放する。
③ 換気扇がある教室は常時稼働させる。特に悪天候等により自然換気ができない時には積極的に 機械換気を行う。

風が弱く入りにくい場合には、空気の通り道をつくるように、風が入ってくる方向の窓は小さく、出ていく方向の窓は大きく開けておくと効率的に換気されます。 休み時間ごとに全窓開放し外気と同等にすることはたいへん重要です。必ず実施してください。

※ダイキン工業株式会社HP「上手な換気の方法」等も参考にしてください。
(2020.10)

冷房の設置について教室と廊下などの気温差が出てくると思うが、換気する方法(窓を開ける等)の他に温度差をなくす対策はありますか。

冷房の設定温度を過度に下げ過ぎないことです。冷房中であっても教室内の二酸化炭素濃度は上昇しますので、夏冬問わず、授業時間毎の換気は必要です。廊下との温度差は換気によって少なくなるはずです。
(2019.9.7)

夏に向けてエアコンを使用する機会が多くなると思いますが、エアコンを使用するときに注意することはありますか?

使用シーズン開始前後に、フィルター掃除等の手入れが必要です。
冬季と同様に、閉め切った教室は二酸化炭素濃度が上昇します。授業時間毎の換気は必要です。
また、エアコンの風がいつも同じ児童に当たり、冷えすぎになることもありますので気流への配慮も必要です。
(2019.9.7)

換気

感染症拡大防止のため、マスク着用・換気の徹底をしていますが、夏場に冷房をつけて教室温度を維持しながらの換気はどのように行ったらよいのでしょうか。
・今後、気温が上がり、エアコンを使用することにもなるため、換気のポイントについて
・新型コロナウイルス感染症対策として、換気が重要とされていますが、気温や湿度が上昇する中で特に気を付けておくべきことを教えてください

学校環境衛生基準では温度は17℃以上28℃以下であることが望ましいとなっています。熱中症を防ぐためにも、28度以上にならないよう管理することが望ましいですが、設定温度を28度にすればいいということではなく、教室で子どもたちが過ごす場所の日照や湿度、マスクの着用も考慮する必要があります。
〈要点〉
①  状況に応じた温度設定をする。湿度が高いときにはエアコンの除湿(ドライ機能)を活用し、自然な発汗ができるようにし、体感温度を下げる。(湿度が20%下がると体感温度は4℃下がるといわれている) 暑さ指数WBGT計を活用する。

② マスクの着用については文科省マニュアルのとおり。

③ 直射日光を遮る工夫を講じる。教室の場合、カーテンや掲示物などで窓を覆うと通気抵抗が生じて速やかに換気(ウイルス等の排出)ができないことがあるので注意する。

④ 冷房の気流により、部分的に冷えすぎになる場合があるので、児童生徒の不調の訴えに注意する。(学校薬剤師にご相談ください。)

(2020.10)

空調機器のない教室等での効果的な換気の方法はありますか

休み時間に、窓を全開する。授業中は、欄間を対角線上に開けておく等の方法があります。
「学校施設の換気設備に関する調査研究報告書 第1章 学校施設における換気計画の基本的な考え方」を参考にして下さい。
 (http://www.mext.go.jp/a_menu/shisetu/shuppan/04062201/004.htm)
(H27.11.11)

クレベリン

「クレベリン」(二酸化塩素の商品名)をインフルエンザ予防で使用できると聞いたのですが。

二酸化塩素(にさんかえんそ)とは塩素の酸化物で、化学式 ClO2で表される化合物である。塩素の酸化数は+4。
常温、常圧では塩素やオゾンのような刺激臭のある橙色の空気より重い気体。光や熱に対しては不安定。液体は赤褐色で比重 1.64(0 ℃)、固体は橙黄色、溶解度 0.8。
塩素酸に、その他の酸を溶かして得られる
殺菌作用があり、消臭・消毒などに使われる。
パルプを製造するとき、繊維の漂白に用いられる。かつて塩素ガスが用いられていたものが置き換えられたものである。
毒性の強いH5N1型鳥インフルエンザが人型に変異した場合人間は過去に感染していないため世界的大流行(パンデミック)が懸念されているが、この新型インフルエンザに対する空間消毒薬として二酸化塩素ガスが注目されている。2008年5月2日放送のテレビ東京『ワールドビジネスサテライト』によると「クレベリン」(二酸化塩素の商品名)をガス化してエアコンから噴出させるよう電気メーカーが開発中であり、このエアコンに関しての問い合わせがホテル・オフィスから増加しているとのことである。フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より

(H21.1.27)

テニスボール

中古のテニスボールを教室の机や椅子の脚に使用しているのですが。

健康被害:小・中学校の教室で広がる中古ボール再利用 微量の化学物質放散
 中古のテニスボールを教室の机や椅子の脚のカバーにする再利用方法が、全国の小・中学校に広がっている。ガタガタとうるさい音がしなくなり、床も傷つかず、ごみとして捨てられるボールも減る。良いことずくめのようだが、アレルギーやシックハウスなど空気環境に敏感な症状を持つ子供には思わぬ危険がある。ボールから出る揮発物質により、健康被害に遭う恐れがあるのだ。実際に体調を崩した子供もおり、導入には細心の注意が必要だ。【田村佳子】
 ●騒音防止で導入
 再利用の方法は簡単。ボールに切り込みを入れて机や椅子の脚にはめ込むだけ。90年代初め、補聴器をつけた子供の耳を守るため、親からの要望を受けた熊本市内の小学校で始まった。騒音防止とごみ減量に役立つことから、難聴の子供がいない学校にも導入が拡大。今では、全国で多くのテニススクールやテニスクラブが中古ボールの提供に協力しており、インターネットで再利用を呼びかけるサイトも数多い。
 一方、これまで見過ごされてきたのが、中古ボールを再利用することの弊害だ。
 宇都宮市内の小学校では07年秋、再利用を始めて数日後に小学4年生の男児が発熱。せきや鼻血も出て、その後3週間にわたり低体温の状態が続いた。男児は以前にも化学物質が原因でアレルギー鼻炎が悪化したことがあり、この時も鼻炎が再発した。
 男児の母親(40)は、切り込みを入れた際にかいだにおいから、原因は中古ボールだと判断。母親から相談を受けた学校は、4カ月後、中古ボールをすべての教室から撤去した。
 男児の母親は「他の保護者からも突然せきや熱が出たという話を聞いた。影響を受けた子供は他にもいたと思う」と話す。男児の鼻炎は、今も元の状態まで回復していない。
 ●切り込みで増大
 実際に中古ボールから化学物質は出ているのか。東京大学の柳沢幸雄教授(室内環境学)にリユース予定の中古ボールを測定してもらったところ、アセトアルデヒド、アセトン、ベンゼン、シクロヘキセン、シクロヘキサノンなどの有害な揮発性有機化合物の放散が確認された。脚にはめ込む切り込みを入れると、放散量は増大した。製造時にボールの内部に封印された物質が出てきたと考えられる。
 放散量はいずれもごく微量で、切り込みを入れた場合でも、24時間にベンゼンで1個平均0・3マイクログラム。机と椅子の脚全部で計320個のボールが集まる40人学級での濃度を試算すると、1立方メートル当たり0・01マイクログラム以下となり、大気環境基準(3マイクログラム)を下回る。ただしこれは、基準通り毎時2・2回、室内の空気が入れ替わったと仮定した場合だ。これらの化学物質が低い場所にたまりやすく、換気されにくいことは考慮していない。
 柳沢教授は「健常な子なら問題がないが、敏感な子供には耐え難い環境になっている可能性がある。原則的にやめるべきだと思うが、導入する場合でも、子供の体調に十分注意を払う必要がある」と訴えている。
 これまで300万個の中古ボールを学校に寄付した実績のあるNPO「グローバル・スポーツ・アライアンス(GSA)」(本部・東京)は、毎日新聞の取材でこれらの事実を知り、注意を呼びかける文書を学校に送るとともにホームページにも記載するようになった。子供の体調に変化があった場合は、使用量を減らすか使用を中止するよう求めている。
 GSAは今後、有害な化学物質を利用しないテニスボールの製造を、メーカー各社に呼びかける。
毎日新聞 2009年1月15日 東京朝刊


毎日新聞「中古ボールで健康被害」の報道に関して
2009/01/15
特定非営利活動法人 グローバル・スポーツ・アライアンス
 本日(2009年1月15日)付の毎日新聞朝刊において、中古テニスボール使用における健康被害についての報道がなされたことにつきまして、以下の通りご説明申し上げます。
 記事にもございましたように、当法人では同情報を得た直後より3Rネットワークウェブサイト「スポーツエコネット」において『テニスボールリユースに関するご注意とお願い』と題した注意喚起を掲載、当事業をご利用中もしくは新たにご利用をお考えの皆さまへのご注意とお願い事項を明記させて頂いております。
 当法人のテニスボールリユース事業に関しましては、今後も引き続き活動を継続する予定です。製造メーカー様に対しましては、身体に対する危害がまったく無い、有害な化学物質を使用することなくより安全基準を満たすことの出来るテニスボールを製造して頂く提案を、以降は積極的に行なっていく所存でございますが、ご利用の皆さまには掲載中の注意喚起をよくお読み頂き、十分にご確認・ご注意くださいますよう強くお願い申し上げます。
 今後も当法人のテニスボールリユース事業へのご理解・ご支援のほど、何卒宜しくお願い申し上げます。
以上
【スポーツエコネット】
http://www.sports-eco.net/
(H21.1.26)

検査申し込み

水質検査(トリハロメタン等)、空気検査(ホルムアルデヒド等)、屋内塵性ダニ検査簡易検査キット(マイティチェッカー)の申し込み方法を教えてください。

1.水質検査 別紙FAX送信書で申込み下さい。

2.空気検査  別紙パッシブ型採取器購入申込書をFAX又は郵送して下さい。

3.マイティチェッカー簡易セット
   斡旋価格(5回分、ビニール袋入り)5,000円(税別・送料込み)
          希望小売価格 6,500円
 ①学校名
 ②住所
 ③電話番号
 ④申込者
 ⑤「マイティチェッカー」の申込み個数
         ①~⑤を下記宛FAX又は郵送して下さい。
  財団法人日本学校保健会事務局
  〒105-0001 東京都港区虎ノ門2-3-17
  虎ノ門2丁目タワー6階
  FAX:03-3592-3898 TEL:03-3501-2000
  商品の発送、代金の請求はリオンテック株式会社(TEL042-523-6901)が代行します。(2005.4.22)
また、近隣の測定機器取り扱い店でも購入できます。

机・イス

机とイスの検査についてどのように実施したら良いですか?

机、イスは破損がないかの確認と共に高さが各児童、生徒にあっているかの確認を行います。全ての児童、生徒に対して、学校薬剤師が高さの確認を行う事は困難と思われるため、学校での確認をお願いしています。
尚、基準は、机面の高さ→座高/3+下腿長、イスの高さ→下腿長であるものが望ましいとされています。(図)
(H27.11.11)

給食

消毒・薬品管理

給食室や配膳室で塩化ベンザルコニウム(オスバン®等)を使用してはいけない理由を教えてください。

塩化ベンザルコニウム液の給食現場での使用(台拭き・手指・器具等の消毒)は控えてください。理由は以下の通りです。

1. 食品添加物ではない(界面活性剤の残留リスク): 食品添加物に指定されていないため、食品や直接食品に触れる場所に成分が残留することが認められていません。
2. ウイルスの不活化効果がない: 食中毒の主な原因となるノロウイルスやロタウイルス等のノンエンベロープウイルスに対して、塩化ベンザルコニウムは消毒効果がありません。
3. 安全管理上のリスク: 原液(10%等)の誤希釈や、無味無臭による誤飲事故を防ぐ観点からも給食現場での保管・使用は推奨されません。

※配膳台や拭き上げには次亜塩素酸ナトリウム液または消毒用エタノール(食品添加物指定のもの)をご使用ください。

•根拠資料:
o厚生労働省『大量調理施設衛生管理マニュアル』
o日本薬局方 消毒薬使用指針


(2026.8)

給食時に使用する次亜塩素酸ナトリウム希釈液(0.02%等)は、作成後何日間保存できますか?

希釈後の次亜塩素酸ナトリウム液は、原則として「使用当日に調製し、その日のうちに使い切る(当日使い切り)」ことが鉄則です。
次亜塩素酸ナトリウムは非常に不安定な化合物です。直射日光(紫外線)による分解だけでなく、空気中の有機物の微量混入や保管容器の状態、気温上昇によっても有効塩素濃度が急速に低下(失活)します。 「遮光して1週間保管する」ような運用は、必要な消毒効果が得られなくなる危険性があるため行ってはなりません。毎日使用する分をその都度正しく希釈調製し、業務終了後に廃棄してください。

•根拠資料:
o厚生労働省『大量調理施設衛生管理マニュアル』
o文部科学省『学校給食調理場における洗浄・消毒マニュアル Part1・Part2』


(2026.8)

給食室で使用する次亜塩素酸ナトリウムはどのような製品を選ぶべきですか?

必ず「食品添加物」の表示がある次亜塩素酸ナトリウムを使用してください。

【理由】 一般の清掃・漂白用次亜塩素酸ナトリウム(洗剤類)には、洗浄力を高めるために「界面活性剤」が含まれている場合があります。界面活性剤が含まれている製品は食品や食器に成分が残留するため給食の消毒には使用できません。 「食品添加物」指定の製品には界面活性剤等が含まれておらず、適正に使用・すすぎを行えば食品衛生上の安全が確保されます。

•根拠資料:
o厚生労働省『大量調理施設衛生管理マニュアル』
o食品衛生法(食品添加物規格基準)


(2026.8)

食器の洗浄・検査

樹脂製食器(PEN樹脂等)が「でんぷん反応陽性」になります。対策を教えてください。

PEN樹脂製椀などは、汁物等の使用後に不十分な洗浄のまま高温乾燥を繰り返すと、表面に微細な「でんぷん膜」が固着し、ヨウ素反応で陽性になりやすいことが分かっています。

【改善対策】
1. 浸漬工程の徹底: 洗浄機に入れる前に、温水(40℃前後)への十分な浸漬(予洗い)を行う。
2. 洗剤の見直し: でんぷん分解酵素を配合した「酵素洗剤」での浸漬、およびアルカリ洗剤での適切な洗浄・高温すすぎを行う。
3. 定期的なリセット: 学期に1回程度、10分間程度の煮沸処理(リセット作業)を行う。

※なお、ABS樹脂製食器は傷に入り込んだでんぷんが原因となる場合があり、材質に応じた取扱いに注意が必要です。

•根拠資料:
o食器洗浄改善フローチャート2023年版
o文部科学省 『学校給食調理場における洗浄・消毒マニュアル Part1』


(2026.8)

食器洗浄後の残留でんぷん検査(ヨウ素反応)の具体的な手順を教えてください。

学校環境衛生検査等で実施するヨウ素反応検査の手順は以下の通りです。

【検査手順】
1.試薬の調製: 市販のヨードチンキを精製水(または飲用適の水)で約5倍に薄めたヨウ素溶液を用意する。
2.試薬の適用: 洗浄・乾燥後の食器にヨウ素溶液を約10mL入れ、内面全体に行き渡るように回転させる(脱脂綿等に浸して全体を万遍なく塗布してもよい)。
3.すすぎ: 流水で軽めに水洗いし、余分な試薬を洗い流す。
4.判定: でんぷんが残留している部分が藍色(青紫色)に変色した場合は「陽性(洗浄不十分)」と判定する。

• 根拠資料:
o なし


(2026.8)

害虫・環境管理・配膳室

給食施設内で害虫が発生した場合の対応方法を教えてください。

学校給食施設は「食品を取り扱う場所」「火気を使用する場所」であるため、一般的な殺虫剤の全般噴霧は原則として行えません。IPM(総合的有害生物管理)の考え方に基づき、薬剤に頼らない防除を実施します。

【対応の基本方針】
1.発生源対策(環境整備): 腐葉土、生ゴミ、排水溝の汚泥、雑草など発生源となる環境を清掃・整備する(梅雨時期のコバエ類発生防止に極めて有効)。
2.侵入防止・物理的駆除:
o防虫網(サッシ網戸)の整備、隙間の穴埋め。
o粘着トラップや捕虫器の設置(薬剤を使用しない物理的除去)。
o発生ピーク時は窓の開放を避け、エアコンや換気扇を適切に活用する。

•根拠資料:
o文部科学省『学校給食衛生管理基準』第5(施設設備の衛生管理等)


(2026.8)

配膳室の温度・湿度管理はどのようにすべきですか?

『学校給食衛生管理基準』に基づき、配膳室および調理場内の環境管理を行います。

•環境目標値: 温度 25℃以下 / 湿度 80%以下(できれば60%以下が望ましい)
•対策: 夏期・高温多湿時には微生物が増殖しやすいため、空調設備(エアコン)や除湿機等を設置・稼働させて管理目標値を維持してください。

•根拠資料:
o文部科学省『学校給食衛生管理基準』


(2026.8)

非接触温度計(赤外線放射温度計)の使用上の注意点はありますか?

非接触温度計は、対象物に触れずに赤外線エネルギーを検知して表面温度を短時間で測定できる機器です。

【選定・使用上の留意点】
•測定箇所を的確に特定できるよう、レーザー照射機能(レーザーマーカー付き)のある機種を選定・使用してください。
•非接触温度計が測定できるのは「食品や容器の表面温度」です。加熱調理時の食品の安全確認など中心温度の測定が必要な場合は、必ず芯温計(差し込み式温度計)を併用してください。

• 根拠資料:
o 厚生労働省『大量調理施設衛生管理マニュアル』

(2026.8)

温食・保冷食の配送・配食時の温度管理はどうすればよいですか?

調理後の食品は微生物の増殖を防ぎ、かつおいしく提供するために適切な温度管理を行います。

•温食: 保温食缶等を使用し、温かい状態で配送・配食する。
•冷食(和え物・サラダ等): 保冷食缶、蓄冷材、保冷車等を活用し、10℃以下を目安に保冷管理する。
•時間管理: 調理完了から児童生徒が食べるまでの時間を2時間以内とするよう努める。

•根拠資料:
o文部科学省『学校給食衛生管理基準』
o厚生労働省『大量調理施設衛生管理マニュアル』

(2026.8)

受配校で給食の受取り・配膳を行う職員や配膳員は、検便などの検査が必要ですか?

必要です。 配膳室で直接給食や食器・食缶に触れる配膳員や受配校の担当職員は、調理従事者に準じた衛生管理が求められます。

•定期検便(検査項目): 毎月1~2回以上、腸管出血性大腸菌(O157、O26等)、サルモネラ、赤痢等の定期検査を実施します。
•ノロウイルス検査: 10月~3月のハイシーズンにおいては、必要に応じてノロウイルス検査を含めることが推奨されます。
•日常の健康状態の確認: 毎朝の検温、下痢・吐き気・風邪症状の有無、手指の傷の有無を確認・記録し、異常がある場合は配膳作業に従事させない体制を整えてください。

•根拠資料:
o文部科学省『学校給食衛生管理基準』第4(学校給食従事者等の健康管理等)
o厚生労働省『大量調理施設衛生管理マニュアル』

(2026.8)

検査・拭き取り・日常の消毒等

学校薬剤師が行う給食室の拭き取り検査(サンコリやフードスタンプ等)では、どのような場所を対象に選定すればよいですか?

学校薬剤師が行う拭き取り検査は、主に「大腸菌群」の検出を目的としています。
大腸菌群は人・動物の糞便や土壌等に由来し、主に「人の手を介した交差汚染」や「洗浄・殺菌の不備」を評価する重要な指標となります。そのため、以下のような目的別に検査箇所を選定します。

【具体的な検査対象箇所の例と評価指標】
1.作業前の手洗い・衛生状態の確認(衛生関連):
oトイレのドアノブ、手洗い場の蛇口ハンドル・レバーなど
⇒ 検出された場合: 用便後や作業前の手洗い不徹底、または手洗い後の二次汚染が疑われます。

2.調理中の交差汚染防止の確認(調理器具等):
o回転釜の取っ手、調理器具(へら・包丁等)の持ち手など
⇒ 検出された場合: 調理工程中における手指衛生の不徹底や、汚染作業区域から清潔作業区域への交差汚染が疑われます。

3.洗浄・殺菌効果の検証(洗浄後器具):
o洗浄・乾燥後のまな板、包丁、食器など
⇒ 検出された場合: 洗浄剤・消毒液の濃度や温度不足、加熱殺菌時間の不足など、器具の洗浄・殺菌工程の不備が疑われます。

【運用のポイント】
検査箇所を毎回同じ場所に固定するのではなく、当日の作業動線(検収→下処理→加熱調理→配膳)や献立内容(生野菜の有無等)を参考に、学校薬剤師と栄養教諭(学校給食管理者)が事前に協議し、汚染リスクが懸念される箇所を臨機応変に選定して実施することが効果的です.

•根拠資料:
o文部科学省『学校給食衛生管理基準』第7(学校給食の衛生管理状況の点検等)


(2026.8)

明らかな汚染(嘔吐物等)がない日常の教室の机の消毒には、「次亜塩素酸水」と「エタノール(アルコール)」のどちらを使用するのが適切ですか?

明らかな汚染物質(嘔吐物・便・血液等)がない日常的な環境消毒であれば、「エタノール(アルコール)」の使用を推奨します。

【それぞれの特性と推奨理由】
•次亜塩素酸水:
ノロウイルス等への有効性が認められており、適切に使用すれば安全性も高い資材です。しかし、光(紫外線)・空気(酸化)・時間経過・有機物の混入によって有効塩素濃度が急速に低下(失活)しやすいという極めて繊細な性質があります。管理や保管状態が不適切な場合、十分な消毒効果が得られないリスクがあります。

•エタノール(消毒用アルコール):
日常的な拭き取り消毒において効果が安定しており、密閉容器で保管していれば短期間で急激に失活するリスクが低い資材です。取り扱いが容易で、誰が作業しても確実な消毒効果が期待できます。

【結論】
ノロウイルス等の明確な汚染がない通常の環境整備においては、管理の容易さと消毒効果の確実性・再現性の観点から、エタノール(アルコール)を選択するのが最も適正です。

※なお、ノロウイルス患者の嘔吐物や糞便による「明確な汚染」がある場合は、消毒用エタノールではなく「次亜塩素酸ナトリウム(0.1% / 1000ppm)」等による処理が必要です。

•根拠資料:
o厚生労働省・経済産業省・消費者庁『次亜塩素酸水等の販売実態等に関する調査および有効性評価』
o厚生労働省『大量調理施設衛生管理マニュアル』

(2026.8)

濃縮手洗い石鹸(アルボース等)を原液から希釈して使用する場合、希釈後の使用期限や管理方法はどのように設定すればよいですか?

【メーカーの見解と現場のリスク】
濃縮石鹸液のメーカーとしては、水で希釈した後の製品について、各施設での保管環境(日光、室温、使用する水道水の性質等)や雑菌混入のリスクが予見できないため、「明確な使用期限の設定・品質保証はいたしかねる(都度希釈し、早めに使い切ることを推奨)」としています。
希釈した石鹸液は、殺菌成分が含まれていても水で薄まることで防腐効果が低下し、放置すると容器内で細菌が繁殖(二次汚染)する危険性があります。

【学校給食・学校現場での実用的運用ルール】
病院や他施設での運用例を踏まえ、現場での衛生維持と管理の実現可能性を考慮した「最長1ヶ月」を上限とする運用ルールの設定を提案します。

1.使用期限の目安: 「希釈後 1ヶ月以内」(※夏場や高温になる場所ではさらに短いスパンでの交換を推奨)。
2.具体的な運用の仕組み化:
o「毎月初めの最初の授業日(あるいは毎月1日)」を全量交換日と定める。
o残っている石鹸液は継ぎ足し(継ぎ足し使用は絶対NG)をせず、必ず全量破棄する。
o容器(ボトル・ポンプ内部)を水道水で完全に洗浄し、十分に乾燥させてから新しい希釈液を補充する。

「減ったら継ぎ足す」運用はボトル底で菌が繁殖する最たる原因になります。「定期的な全量破棄・洗浄・完全換装」のルールを徹底してご指導ください。

•根拠資料:
o株式会社アルボース Q&A「希釈した石鹸液の使用期限について」
o厚生労働省『大量調理施設衛生管理マニュアル』(手指衛生・設備管理)


(2026.8)

給食・衛生管理体制

学校給食調理場における手洗いマニュアルがありますか。

文部科学省より『学校給食調理場における手洗いマニュアル』(平成20年3月発行)が示されており、文部科学省ホームページからダウンロードできます。 学校給食衛生管理基準に基づき、ノロウイルス等の感染防止・衛生管理のため、適切な手洗い手順を遵守し、定期的な確認・指導を行うことが重要です。

•根拠資料:
o文部科学省『学校給食調理場における手洗いマニュアル』(平成20年3月)
o文部科学省『学校給食衛生管理基準』(平成21年文部科学省告示第117号 / 最終改正:平成30年文部科学省告示第127号)

(2026.8)

クックチル方式とは何ですか?導入の条件を教えてください。

クックチル方式とは、加熱調理(クック)した食品を短時間に急速冷却して保存し、提供時に再加熱して配食する調理システムのことです。
現行の『学校給食衛生管理基準』第6(雑則)において、クックチル方式により学校給食を提供する場合は、以下の措置を講じた上で実施することが定められています。

【クックチル方式導入時の重要3条件】
1. 設置者の決定責任: クックチル方式を導入するかどうかは、教育委員会等の設置者が安全性を判断して決定する。
2. 専用設備の整備: クックチル専用の施設・設備の整備、および二次汚染防止措置を講じる。
3. 衛生管理と研修: 衛生管理体制を整備し、学校給食従事者等に対して十分な研修を実施する。
※自校の調理場で前日に調理したものを単に冷やして保存することではありません。配送・受配等の行程も含め厳格な温度管理と記録が求められます。

•根拠資料:
o文部科学省『学校給食衛生管理基準』第6(雑則)
o日本薬剤師会『新訂 学校環境衛生の基準解説書』


(2026.8)

調理器具・設備

熱風消毒保管庫の設定温度や使用方法について教えてください。

熱風消毒保管庫は、器具や食器の消毒と乾燥を行う重要な設備です。

1. 基本的な温度・時間管理
•『大量調理施設衛生管理マニュアル』等に基づき、器具等の殺菌は80℃・5分間以上(またはこれと同等の効果を有する方法)で行います。
• ノロウイルス対策としては、食器等の表面温度が80℃以上となる必要があります。

2. 食器材質への配慮(メーカー取扱説明書の遵守) 高温・長時間の熱処理は食器の劣化(亀裂・黄変など)を招くため、材質に応じた設定を行います。
• メラミン食器: 庫内温度が85~90℃に上昇後、この温度で30分程度保持。
• プラスチック(耐熱)食器: 庫内温度が85~90℃に上昇後、この温度で40~50分程度保持。 ※メーカーや製品によって推奨設定(85℃到達後20~30分保持など)が異なるため、必ず使用機器・食器の取扱説明書を確認してください。

3. 運用上の留意点
• 庫内温度を均一に保ち、確実に乾燥させるため、食器の積載量や配置に配慮してください。
• 熱風保管庫用温度記録計等を活用し、きめ細かな温度管理を行うことが推奨されます。
• 根拠資料:
o 厚生労働省『大量調理施設衛生管理マニュアル』(最終改正:平成29年6月16日)
o 文部科学省『学校給食調理場における洗浄・消毒マニュアル Part2』(平成22年3月)
o 日本薬剤師会『新訂 学校環境衛生の基準解説書』
o 三信化工業(株)http://www.sanshin-kako.co.jp
o 国際化工(株)https://www.marukei-corp.co.jp/


(2026.8)

まな板から大腸菌群が検出されました。どのように対応したらよいですか?

調理器具からの大腸菌群検出は、洗浄・消毒不十分または二次汚染を示しています。以下の手順で洗浄・殺菌工程を見直してください。

【標準的な洗浄・殺菌手順(抜粋)】
1. 飲用適の水(40℃程度の微温水が望ましい)で十分下洗いする。
2. スポンジタワシに洗剤(中性または弱アルカリ性)をつけて念入りに洗浄する。
3. 飲用適の水で洗剤を完全に洗い流す。
4. 80℃で5分間以上の熱湯殺菌、または同等の効果を有する消毒を行う。
5. 水分をよく乾燥させる。
6. 清潔な保管庫(熱風消毒保管庫等)にて適切に保管する。

詳しい運用・検証方法は、文部科学省発行のマニュアルをご参照ください。
•根拠資料:
o文部科学省『学校給食調理場における洗浄・消毒マニュアル Part1・Part2』(平成21年・22年)
o厚生労働省『大量調理施設衛生管理マニュアル』


(2026.8)

薬品

廃棄

使用期限の切れた薬品は、どのように処分すれば良いでしょうか?

学校で廃棄出来る薬品もあります。
学校で処分しにくい薬品は、数年に一度、市教委が回収する時に託してください。
廃棄方法は、学校薬剤師に相談して下さい。
(2019.9.7)

学校保健室等で不要になった水銀仕様の体温計や血圧計を処分したいが、処分先を教えてほしい。

平成28年4月1日から改正廃掃法が施行されたことで、水銀に関する処理の見直されることに伴い、リサイクル処理が主流となりつつあるため、その過渡期となっている現在では、紹介できる企業が限られるものとなっている。現在では、北海道にある「野村興産株式会社」での処理が可能である。適正処理については各事業所でも苦慮しており、大量に所持していると思われる病院等医療期間について、医師会が水銀仕様の体温計や血圧計を収集し、北海道の野村興産株式会社に処理を依頼することを検討している様である。今後、薬務課等から適正処理についての連絡がある予定なので、それまでは、学校にて保管しておくこと。(H28.05.24)

※補足
その後の経過を薬務課に確認したところ「現状維持」との返答。リサイクル対策室も苦慮している状況。県教育委員会でも、当面は各学校で保管しておくこととしている。(H29.10.01)

理科薬品を廃棄してもらえる業者を教えて下さい。

次のようなところに依頼しています。
会社名 郵便番号 所在地 TEL FAX
中国電化工業(株)  〒747-0833 防府市大字浜方字古浜62番地1 0835-22-2810  0835-23-2971 
(有)柳井コレクト・サービス 〒742-0023 柳井市南浜4丁目1番23号 0820-22-9430 0820-22-2032
アサヒブリテック(株)   〒811-3136 福岡県古賀市糸ヶ浦43番地  092-943-2223  092-943-6209 
ミツヤ工業(株)   〒759-0136 宇部市大字木田503番地  0836-62-0031  0836-62-1334 
共英製鋼(株)   〒756-0817 山陽小野田市大字小野田6289番地18 0836-83-0709 0836-83-6709
都市産業(株)   〒756-0811 山陽小野田市稲荷町10番23号 0836-83-2830  0836-83-1176 
(株)サニックス   〒800-0115 北九州市門司区門司三丁目81-5  093-481-6050 093-481-5220 
(株)宇部スチール   〒755-0067 宇部市大字小串字沖の山1978番地の19 0836-35-1300  0836-35-1331 
(株)イージーエス   〒792-0003 愛媛県新居浜市新田町3丁目1番39号  0897-37-1098  0897-32-8444
(2005.5.19)

ノロウイルス

ノロウイルス感染防止対策で、嘔吐物を処理する際、マスク、手袋、ガウンなどを用意し、次亜塩素酸ナトリウム液(塩素濃度約1,000ppm)を調整しなくてはいけません。何かいい方法はないですか?

①1例としてハクゾウおうと物処理セットが発売されています。PDFカタログ
(H24.2.9)
②第38回山口県学校環境衛生研究大会(平成27年5月25日)
 特別講演「学校生活における感染症対策~ノロウイルス対策を中心に~」
 和歌山県薬剤師会 学校薬剤師 西前多香哉先生のスライド参考にしてください。(H28.5.12)

ノロウイルスに感染した人の嘔吐物や便の処理に「キッチン泡ハイター」(花王)を使用してもいいでしょうか。

ノロウイルスに感染した人の嘔吐物や便の中には大量のウイルスが存在します。処理の際には、感染したり、ウイルスが広がったりしないように十分注意する必要があります。詳しい方法は、下の「関連リンク」の①からごらんください。
また、嘔吐物や便をふいた紙や布などは、ビニール袋に入れて必ず密封して廃棄します。その際には、次亜塩素酸ナトリウム液(塩素濃度約1,000ppm)を紙や布が充分に浸る程度に入れるとより安心です。(関連リンク②参照)
○次亜塩素酸ナトリウムを含む花王の塩素系漂白剤について
次亜塩素酸ナトリウムを含む花王の塩素系漂白剤は「キッチン泡ハイター」「キッチンハイター」「ハイター」です。「キッチン泡ハイター」は、薄めずそのままスプレーして使用します。「キッチンハイター」および「ハイター」は、目的に応じた濃度に希釈して使用します。
■関連リンク■

①ノロウイルス感染症とその対応・予防(家庭等一般の方々へ)
(国立感染症研究所感染症情報センター)

②「ノロウイルスに関するQ&A」(厚生労働省)


花王ホームページより引用(キッチン泡ハイターに関しましては、メーカーに直接問い合わせをいたしました。濃度は教えてもらえませんでしたが、嘔吐物や便の使用にはそのまま使用できると返事をもらっています。)
(H22.1.20)
第38回山口県学校環境衛生研究大会(平成27年5月25日)
特別講演
「学校生活における感染症対策~ノロウイルス対策を中心に~」
和歌山県薬剤師会 学校薬剤師 西前多香哉先生のスライド参考にしてください。(H28.5.12)

ノロウイルスを消毒をしたいのですが、市販の家庭用漂白剤を薄めて次亜塩素酸ナトリウム(塩素濃度200ppm)を作るにはどのようにしたらいいのでしょうか。

市販の家庭用漂白剤には、塩素濃度が書かれていませんが、約5%です。(塩素濃度200ppmとは、0.02%です。)
(原液の濃度)÷(目的の濃度)=希釈倍数
(最終的に調整する量)÷(希釈倍数)=加える原液の量 で求められますので、例えば5L作る場合、
5(%)÷0.02%=250倍
5000(mL)÷250(倍)=20mL
水5000mL(5L)に20mLを入れて下さい。下記のような一覧表を作っておくと応用ができます。
消毒薬1000mL調整時に必要な液量と希釈倍数
調整後の濃度
調整前の濃度 0.01% 0.02% 0.03% 0.05% 0.1% 0.5% 1%
1% 10mL
100倍 20mL
50倍 30mL
33.3倍 50mL
20倍 100mL
10倍 500mL
2倍   
2% 5mL
200倍 10mL
100倍 15mL
66.7倍 25mL
40倍 50mL
20倍 250mL
4倍 500mL
2倍
3% 3.3mL
300倍 6.7mL
150倍 10mL
100倍 16.7mL
60倍 33.3mL
30倍 166.7mL
6倍 333.3mL
3倍
5% 2mL
500倍 4mL
250倍 6mL
166.7倍 10mL
100倍 20mL
50倍 100mL
10倍 200mL
5倍


(H21.12.15)

理科薬品の管理

理科薬品の管理を指導する資料はないのですか。

平成7年10月に山口県教育委員会が発行した「適正な理科薬品の管理と安全な理科実験の手引」があります。これは、手引書作成委員会(山口県学校薬剤師会、薬務課、消防防災課、保健体育課、教育研修所、指導課)が編集したものです。平成19年5月に改訂されたものをpdfファイル(1.84MB)にしました。

また平成12年10月1日から「薬品管理基準の改訂について」PDFファイル(199kb)が山口県教育庁指導課から通知されています。(2004.12.17)(2007.07.30ファイル更新)

⇒単位など記載内容の表記が令和6年7月に一部修正され、計量方法や廃液に係る基準等が令和7年12月に一部修正されています。

適正な理科薬品の管理と安全な理科実験の手引き(令和7年12月改訂版)

(2026.9)

塩化カルシウム

運動場に塩化カルシウムを撒きますが、害はありませんか?

■塩化カルシウムとは
 塩化カルシウムとは、カルシウムと塩素の化合物で、分子式CaCl2によって示される無機塩類の一つです。天然には海水中にも0.1%程度含まれており、食品添加物としても使用されている製品です。
■塩化カルシウムの特性
強い吸湿力により、路面に適当な湿り気を与えホコリの発生を防ぐため、テニスコート・グランド・未舗装道路の防塵に使用されます。また、水に溶け易く多量の溶解熱を発生するほかにも、水の凍結温度を大幅に下げるため、即効性のある強い凍結防止作用と融氷作用を発揮します。その凍結防止作用は、グランド・テニスコート等の霜柱防止用としても効果を発揮します。
■用途
凍結防止・融雪用・除湿用・防塵用・廃液処理・食品添加物
■取り扱い上の注意
・食品添加物ではありますが、味見をしたり飲み込んだりしないで下さい。
・製品は微アルカリ性のため、取り扱いに関しては保護具(ゴム手袋・保護メガネ)を着用して下さい。
・輸送、保管時は吸湿に注意して下さい。
・子供の手の届かないところに保管して下さい。
■応急処置
・目に入った場合は、直ちに清浄な水で15分以上洗い、速やかに医師の手当てを受けて下さい。
・飲み込んだ場合は、直ちに吐き出し、速やかに医師の手当てを受けて下さい。
・皮膚に付着した場合は、清浄な水でよく洗って下さい。
(H22.12.15)

薬物乱用防止アンチドーピングくすり教育

くすり教育

くすり教育は何年生から始めるのが適当ですか?また、指導計画のポイントを教えてください。

学習指導要領上、義務教育として必ず扱うのは中学校(保健体育)からですが、素地を作るため小学校中学年(3・4年生)頃からの導入が推奨されます。

【学習指導要領に基づく発達段階ごとのポイント】
• 小学校(高学年): 健康の3原則(睡眠・運動・栄養)の理解。病気を治す主役は「自然治癒力」であり、薬はあくまでその「補佐役」であることを教えます。

• 中学校: 自然治癒力の理解に加え、薬が体内で働く仕組み(血中濃度の変化と持続時間)、主作用と副作用の理解。

• 高等学校: 一般用医薬品(市販薬)と医療用医薬品(処方薬)の違い、セルフメディケーションの考え方、薬局・薬剤師等の地域保健医療機関の適切な活用。

根拠資料: 文部科学省『学習指導要領解説 保健体育編』

(2026.10)

くすり教育を進めるにあたり、まず何から始めればよいですか?学校薬剤師に頼むことはできますか?

導入としては「くすりの正しい使い方」をテーマとし、「自然治癒力を助ける補佐役」「5つの正しい飲み方(量・時間・飲み方・期限・他人に与えない)」を伝えることから始めます。

• 学校薬剤師の活用: 薬物乱用防止教室だけでなく、「くすりの正しい使い方」に関する出前授業やチームティーチング(T2)での指導、指導案作成のアドバイスも対応しています。ぜひ担当の学校薬剤師にご相談ください。

• 日常の工夫: 特別授業だけでなく、保健委員会の活動や廊下での掲示物、保健だよりなどを通じてセルフメディケーションの考え方を周知するのも効果的です。

根拠資料: 公益社団法人 日本薬剤師会『くすり教育指導マニュアル』

(2026.10)

児童生徒が興味を持って学べる実験や体験型の教材にはどんなものがありますか?

講義形式だけでなく、視覚的・体験的なアプローチを取り入れることで理解度が飛躍的に高まります。

• カプセルの「ペタペタ実験」: 水なし(または少量の水)で飲むと食道粘膜に貼り付いて潰瘍の原因になることを、濡らしたオブラートやカプセルを紙に貼り付けて示します(多めの水で飲む理由の理解)。

• 鉄剤とお茶の実験: 鉄剤(シロップ等)にお茶(タンニンを含む)を混ぜて黒く濁る様子を見せ、飲み合わせ(水で飲む重要性)を説明します。

• 胃薬と炭酸水の実験: 炭酸飲料等で薬を飲むと急激な発泡や成分変化が起きることを示します。

根拠資料: 一般社団法人 薬の適正使用協議会『実験で学ぶくすりのしくみ』

(2026.10)

症状がおさまったら途中で服薬をやめてしまった生徒への有効な声かけ(キーワード)はありますか?

くすりの種類に応じた明確な医学的根拠を伝えることが大切です。

• 抗生物質(抗菌薬)の場合: 「症状が消えても、体の中にしぶとい細菌が少し残っているよ。途中でやめると、その残った強い菌がくすりに強くなって(耐性菌)、次にもっと強い症状を引き起こしたりくすりが効かなくなったりするから、出された分は最後まで飲みきろうね」と伝えます。

• 処方薬(慢性能等)の場合: 自己判断での中断は症状のリバウンドや離脱症状を引き起こす危険があるため、「やめたい時は必ずお医者さんや薬剤師さんに相談しよう」と指導します。

根拠資料: 厚生労働省『AMR(薬剤耐性)対策アクションプラン』

(2026.10)

保健室や家庭で保管されている「使用期限切れの湿布や外用薬」は使用しても大丈夫ですか?

使用期限が切れた医薬品は絶対に使用せず、廃棄してください。
使用期限は製薬会社が「効果」と「安全性(無菌性や成分の安定性)」を保証している期限です。期限が過ぎた外用薬や湿布は、急激な効果低下だけでなく、成分の酸化・変質や細菌の繁殖によって、皮膚炎やかぶれ、アレルギー反応を引き起こす危険性があります。

根拠資料: 厚生労働省 医薬品適正使用ガイドライン

(2026.10)

処方薬(睡眠導入剤や精神科薬等)を生徒が自己管理している場合、注意すべき指導ポイントは何ですか?

慢性的症状や睡眠障害・不安症状等で処方薬を持参・自己管理する生徒に対しては、以下の点に留意します。

1. 用法・用量の厳守: 「効かないから」と自己判断で増量したり、飲み忘れたからと2回分を一度に飲んだりすることは非常に危険です。

2. 危険行為の防止: 睡眠導入剤や抗不安薬は、ふらつき、眠気の持ち越し、転倒のリスクがあります。服用直後の体育授業や危険な作業・運動は避けさせます。

3. 他者への譲渡(貸し借り)の絶対禁止: 医療用医薬品の譲渡は違法であり、保管状況や紛失・盗難に注意を払うよう学校(養護教諭・担任)とも連携します。

根拠資料: 厚生労働省『睡眠薬の適正な使用と休薬のための診療ガイドライン』

(2026.10)

生徒間で頭痛薬などの処方薬や市販薬を貸し借りしています。なぜ禁止なのか詳しい根拠を教えてください。

医薬品の貸し借りは極めて危険な行為であり、法律上・医学上絶対禁止です。

• 体質・病態の個人差: 医療用医薬品は、医師が患者個人の年齢・体重・症状・アレルギー歴・疾患に合わせて処方しています。他の人が飲むと重篤な副作用(アナフィラキシーショック、皮膚障害、肝機能障害など)を引き起こす恐れがあります。

• 間違った自己診断のリスク: 同じ「頭痛」であっても、原因が感染症や血圧異常、その他の重篤な疾患の場合があり、安易に他人の薬を飲んで症状を覆い隠すことで、重大な病気の発見が遅れる危険があります。

根拠資料: 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)

(2026.10)

生理痛や頭痛の痛みを我慢しすぎず、上手に薬を活用してもらうための指導はどうすればよいですか?

痛みを過度に我慢することは学習や学校生活の質(QOL)を著しく低下させます。「正しく使えば薬は痛みを和らげ、普通に生活できるように助けてくれる味方である」ことを伝えます。

• 指導のポイント: 痛みが強くなる前(初期段階)に適切な用法・用量を守って服用することが効果的であると説明します。ただし、痛みの原因が不明な場合や、毎日のように痛む場合は自己判断で市販薬を飲み続けず、医療機関(婦人科や小児科・頭痛外来等)を受診するよう促します。

根拠資料: 日本頭痛学会『頭痛診療ガイドライン』

(2026.10)

市販の頭痛薬や鎮痛薬に頼りすぎている生徒(常用・頻用)への保健指導はどうすべきですか?

鎮痛薬の安易な常用や過剰摂取は、新たな健康問題を引き起こします。

• 「薬物乱用頭痛(薬剤使用過多による頭痛)」のリスク: 頭痛薬を月に10〜15日以上など頻繁に飲み続けると、脳が痛みに過敏になり、かえって頭痛の回数や強さが増す「薬物乱用頭痛」に陥ることがあります。

• 市販薬オーバードーズ(OD)への警戒: 市販の解熱鎮痛薬や感冒薬などを多量・頻用摂取する行為(オーバードーズ)が青少年の間で社会問題化しています。購入時は薬局の薬剤師や登録販売者に相談させ、必要に応じて受診勧奨を行ってください。

根拠資料: 日本頭痛学会ガイドライン / 厚生労働省『市販薬の乱用防止に関する取組』

(2026.10)

市販薬を購入する際、熱や頭痛があっても「飲んではいけない成分」などの注意点はありますか?

特にインフルエンザや水痘(水疱瘡)が疑われる発熱・頭痛時の解熱鎮痛薬の選定には注意が必要です。

• 注意すべき成分: アスピリン(サリチル酸系)、メフェナム酸、ジクロフェナクナトリウムなどは、小児のインフルエンザ・水痘罹患時に服用すると重篤な「ライ症候群」や「インフルエンザ脳症」の発症・重症化リスクを高めるため避ける必要があります。

• 推奨成分: 小児・中高生の発熱・痛みに対して比較的安全に使用できるのはアセトアミノフェンです。購入時には必ず薬局の薬剤師・登録販売者に症状や年齢を伝えて選んでもらうよう指導します。

根拠資料: 厚生労働省『インフルエンザ脳症の診療ガイドライン』

(2026.10)

エナジードリンク、サプリメント、塩分タブレットを使用する際の注意点を教えてください。

これらは身近で購入できますが、過剰摂取によるリスクが存在します。

• エナジードリンク: 多量の「カフェイン」と「大量の糖分」が含まれています。短時間での多量摂取はカフェイン中毒(動悸、めまい、吐き気、不安感、不整脈)を引き起こします。

• サプリメント: サプリメントは「食品」ですが特定成分が濃縮されています。過剰摂取による健康被害(過剰症)や、医薬品との相互作用(薬の効果が強まる・弱まる)があるため、自己判断での多量摂取は避けます。

• 塩分タブレット: 激しい運動や大量発汗を伴わない通常の日常授業中に多量摂取すると、塩分過剰となり腎臓等へ負担がかかります。大量発汗時の「水+適度な塩分」としての補給目的に限って使用するよう指導します。

根拠資料: 食品安全委員会『ファクトシート:食品中のカフェイン』

(2026.10)

すり傷などの応急処置で「消毒薬を使わず水道水で洗い流す」指導は、どう教職員や児童に伝えればよいですか?

従来のイメージ(「傷口にはまず消毒液」)からの転換を図るため、明確な医学的理由を提示します。

• 理由: 「消毒薬はばい菌を殺すだけでなく、傷を治そうとして頑張っている皮膚の正常な細胞まで傷つけてしまい、傷の治りを遅らせたり傷跡を残しやすくしたりします」と説明します。

• 正しい手順:
1. まずきれいな水道水(流し水)で、傷口に入った砂や泥、ばい菌をしっかり洗い流す。
2. 消毒薬は塗らず、清潔なガーゼや傷口を乾かさない被覆材(ハイドロコロイド絆創膏等)で保護する。
3. 赤みや腫れ、痛みがひどい場合は医療機関を受診する。

• 浸透方法: 教職員研修(AED講習時等)や学校保健委員会、保健だより等を活用して養護教諭から周知します。

根拠資料: 日本形成外科学会 / 日本傷病予防学会『創傷管理ガイドライン』

(2026.10)

発達障害や不安障害等の薬を服用している児童生徒について、校内でどう配慮・対応すればよいですか?

薬剤の種類や作用・副作用は多岐にわたるため、一概に判断せず個別の丁寧な連携を行います。

• 対応手順:
1. ご家庭(保護者)から、お子さんの症状、主治医・薬剤師からの注意事項や服薬タイミングを正確に確認します。
2. 薬剤名や服用状況が確認できたら、必要に応じて学校薬剤師に相談し、発生しうる副作用(食欲低下、眠気、喉の乾き等)や校内での配慮事項を整理します。
3. 担任や学年スタッフ間で共有し、偏見のない温かい見守り体制を整えます。

根拠資料: 文部科学省『特別支援教育支援員等連携手引き』

(2026.10)

養護教諭が担任と連携して、日常的に実施できるセルフメディケーションの取り組み事例はありますか?

「不調になったらすぐ薬」ではなく、薬を飲む前の段階での体調管理(セルフケア)を日常的に発信することが重要です。

• 取り組み事例:
o 体調チェックカードの活用: 「十分な睡眠」「バランスのとれた朝食」「心の健康(ストレス解消)」の3要素を振り返る習慣を作ります。
o 保健室での対話: 軽度の頭痛や体調不良で保健室を訪れた際、すぐに薬を求めるのではなく「まず水分補給をして15分横になってみよう」といった安静による自然治癒の体験を促します。
o T2(ティームティーチング)での参加: 保健体育の授業に養護教諭が入り、生活習慣と自然治癒力の関係を提示します。

根拠資料: 日本学校保健会『学校保健活動ガイドライン』

(2026.10)

くすり教育や保健指導を充実させるための校内コーディネートのコツは何ですか?

養護教諭一人で抱え込まず、校内の組織体制と外部専門職を巻き込むコーディネーターとなることが成功のコツです。

• 実現のポイント:
1. 学校保健計画への位置付け: 年度始めの学校保健計画に「くすり教育」や「セルフメディケーション指導」を明記します。
2. 学校薬剤師・保健主任との連携: 学校薬剤師と定期的に打ち合わせを行い、指導内容や教材(日本薬剤師会やくすりの適正使用協議会の公開教材等)の選定を行います。
3. 教職員全体への理解促進: 職員会議や校内研修で保健指導の重要性を周知し、担任と養護教諭が一体となって事後指導や話し合いを行える環境を整えます。

根拠資料: 文部科学省『学校保健安全法』第5条(学校保健計画)

(2026.10)

タバコ

保護者や地域の理解を得ながら喫煙防止教育を行うため、事前にどのような準備を行えばよいですか?

学校単独での実施に閉じず、事前のおたよりや保護者会などを通じて「本教育の目的は喫煙者や関係者の否定ではなく、子どもたちの健やかな成長と家族全体の健康を守ることにある」という基本方針を共有しておくことが極めて重要です。

【事前の準備・周知のポイント】

1. 保健だより等での事前周知: 喫煙防止授業を行う旨と、「家庭での健康について親子で話し合うきっかけにしてほしい」という前向きな趣旨を伝えます。
2. 時代背景と依存性への理解の提示: 「過去には国の政策として推奨されていた時期もあり、依存性があるため個人の意志だけではやめるのが難しい性質があること」を前提に授業を進める旨を伝え、保護者や地域の不信感を和らげます。
3. 学校保健委員会での共有: 学校薬剤師、PTA役員、教職員が事前に指導内容を共有し、地域の特性(葉たばこ生産や販売等)に応じた配慮事項を確認しておきます。

• 根拠資料:
o 文部科学省『学校における禁煙推進の手引き』
o 日本学校保健会『喫煙防止教育の進め方』

(2026.10)

保護者が喫煙している場合や、葉たばこ農家・たばこ販売店に関わる家庭の児童生徒へは、どのような言い回し・声かけが適切ですか?

家庭や保護者の生業・習慣を責めるような表現は絶対に行わず、「ニコチンの強い薬理作用(依存性)」と「社会の歴史的背景」を踏まえた配慮を行います。

【授業での具体的な説明例(声かけのアプローチ)】

「お父さんやお母さん、おじいちゃん、おばあちゃんたちが子どもだった頃は、たばこの害について今ほど解明されておらず、国がたばこを作っていたり、作ることを仕事にしている人もたくさんいました。また、たばこに含まれる『ニコチン』には非常に強い依存性があるため、体に良くないと分かっていても自分だけの力でやめるのはとても大変なことです。だから、吸っているお家の人を責めるのではなく、『いつまでも長生きしてほしいから体調に気をつけてね』という温かい気持ちを伝えてあげましょう」

また、禁煙外来や薬局で購入できる禁煙補助薬(ニコチンパッチ・ガム)、禁煙相談窓口(禁煙サポーター薬剤師など)の存在を伝えることで、児童生徒を媒介とした家庭内での前向きな禁煙支援(ニコチン依存症への医療アプローチ)につなげます。

• 根拠資料:
o 厚生労働省『喫煙と健康 喫煙の健康影響に関する検討会報告書』
o 日本禁煙学会『禁煙ガイドライン』

(2026.10)

「たばこを吸うのがかっこいい」「興味がある」と感じている児童生徒には、どのような指導が効果的ですか?

単に「身体に悪いからダメ」と一答するだけでは十分な効果が得られません。身近で具体的なデメリットと、自己肯定感を高める指導を組み合わせます。

【多角的なアプローチ手法】

1. 身近な影響の提示(運動・美容・コスト):
o 運動能力への影響: 一酸化炭素の吸入により持久力や心肺機能が低下し、部活動やスポーツでのパフォーマンスが落ちることを説明します。
o 美容・容姿への影響: 歯の黄ばみ、口臭、肌荒れ、将来的な「スモーカーズフェイス(たばこ顔:シワやたるみが増える)」など、容姿への悪影響を示します。
o 金銭的影響: 1年・10年吸い続けた場合の莫大な費用を算出し、他の趣味や生活に使えなくなるデメリットをイメージさせます。

2. 海外の規制やマーケティングの裏側の解説: 外国のパッケージ(大きく表示された病気の写真・警告文)を見せたり、たばこ企業が若者をターゲットにしてかっこいいイメージを作ってきた歴史を解説します。

3. 自己肯定感・意思決定スキルの育成: 「周りに流されずに断れる自分」「自分の体を自分で守れるかっこよさ」を肯定し、誘われた時の断り方のロールプレイングなどを通じて行動選択能力を高めます。

• 根拠資料:
o 文部科学省『小学校・中学校・高等学校 学習指導要領(保健体育)』
o 厚生労働省『たばこと健康に関する情報ページ』

(2026.10)

視覚的な理解を深めるための実験や教材には、どのようなものがありますか?

児童生徒の印象に残る実験や教材は効果的ですが、安全面・環境面への配慮を行った上で実施します。

• たばこ関連の視覚教材例:
o スモーキングマシーン(喫煙シミュレーター): ポンプでたばこの煙を水やフィルターに通し、タールでフィルターが茶色く汚れ、嫌なニオイが付着する様子を提示します。
o 肺の模型・画像比較: 健康な人のピンク色の肺と、長年の喫煙で真っ黒になった肺の写真・模型を比較提示します。

• 実験の安全面に関する注意: ※過去によく行われていた有機溶剤(シンナー等)で発泡スチロールを溶かす実験は、刺激臭や有毒蒸気の吸引リスクがあるため、強力な換気を行うか、レモンの皮(リモネン成分)による溶解実験やカプセル・水蒸気実験など、より安全な代替実験への切り替えをおすすめします。

• 根拠資料:
o 公益財団法人 日本学校保健会『喫煙防止教育教材・教具一覧』
o 文部科学省『薬物乱用防止教室推進マニュアル』

(2026.10)

学校での喫煙防止教室(出前講座)で使用できる信頼性の高い資料やダウンロード素材はどこで入手できますか?

現在、文部科学省や各種専門機関から最新の学習指導要領・ガイドラインに準拠した高品質な教材・デジタルスライドが提供されています。

• 主な推奨参照先・ダウンロードサイト:
1. 公益財団法人 日本学校保健会(ポータルサイト「学校保健ポータル」): 喫煙防止教育用指導マニュアル、指導用スライド、児童生徒用ワークシートがダウンロード可能です。
2. 文部科学省『学校における禁煙推進の手引き』: 指導案や学校での禁煙推進体制の構築方法が網羅されています。
3. 国立がん研究センター「がん情報サービス」 / 厚生労働省: 最新の喫煙率データ、受動喫煙・三次喫煙の健康被害に関する図表やパンフレット素材が入手できます。
4. 各都道府県・市町村薬剤師会(学校薬剤師部会): 地域の学校薬剤師会にて、学校出前講座用のパワーポイントスライドやDVD教材の貸出を行っています。担当の学校薬剤師へご相談ください。

• 根拠資料:
o 公益財団法人 日本学校保健会(https://www.gakkohoken.jp/)
o 厚生労働省・文部科学省 公開資材

(2026.10)

薬物乱用防止

発達段階(小・中・高)に応じた効果的な指導アプローチを教えてください。

• 小学生(高学年): 「医薬品(正しい使い方)」と「薬物乱用(間違った使い方)」を対比し、「自分や大切な家族・友達の心と体を傷つけるもの」として基本的な危険性・違法性を教えます。

• 中学生: 一方的な講義ではなく「なぜダメだと思うか?」を問いかけ、自分自身で考えさせます。脳・神経への影響や社会的な失墜(犯罪性)を論理的に解説し、誘われた際のきっぱりとした断り方を身につけさせます。

• 高校生: 単純な恐怖の訴求ではなく薬理メカニズムや依存の恐怖を伝えます。SNS等を介した入手リスク、市販薬オーバードーズ(OD)の危険性、断り方の具体例(ロールプレイ)、ストレスや不安を感じた際の相談窓口(助けを求めるスキル)について指導します。

根拠資料: 文部科学省『薬物乱用防止教室推進マニュアル』

(2026.10)

大麻の危険性や法律の最新動向について、どのように伝えればよいですか?

大麻はSNS等で誤った情報(「害がない」「海外では合法」等)が拡散されやすいため、正しい知識を伝えることが不可欠です。

• 法改正(使用罪の新設): 麻薬及び向精神薬取締法等の改正により、従来までの「所持」「譲受」だけでなく、大麻の「使用」自体にも罰則(使用罪)が適用されています。
• 身体・精神への影響: 大麻成分(THC)は脳の発達を障害し、記憶力・学習意欲の低下、精神症状やフラッシュバックを引き起こします。「一度でも使えば乱用であり、犯罪になる」ことを徹底してください。

根拠資料: 厚生労働省『大麻取締法等の一部を改正する法律の概要』

(2026.10)

近年問題になっている「市販薬のオーバードーズ(OD)」について、小学生・中高生へどう指導すべきですか?

「違法薬物」だけでなく、ドラッグストアや薬局で買える解熱鎮痛薬や風邪薬・鎮咳去痰薬の多量摂取(オーバードーズ)の危険性を伝える必要があります。

• 指導のポイント: 「身近な医薬品であっても、決められた用法・用量を守らず大量に飲むことは薬物乱用そのものである」と伝えます。精神的な苦痛や不安から薬に頼ってしまう背景に配慮しつつ、急性中毒(肝不全・呼吸抑制等)や依存症のリスクを説明し、学校の養護教諭や専門機関に相談するよう指導します。

根拠資料: 厚生労働省『市販薬の乱用防止に関する取組』

(2026.10)

保護者や周囲に喫煙者・薬物関与者がいる場合、どのように配慮して指導すべきですか?

特定の個人や家族を批判・攻撃するのではなく、「ニコチンや薬物の強い依存性(自分ではやめられない作用)」に焦点を当てて説明します。

• 指導例: 「お家の人たちが若い頃は、たばこの害が今ほど知られておらず、社会全体でも規制されていませんでした。たばこや薬物には強い依存性があるため、やめたくても自分の意志だけではやめるのがとても難しいのです」と説明します。

• 家族へのアプローチ: 「大切な家族の健康を気遣う思いを素直に伝えてみよう」と促し、禁煙外来や禁煙補助薬(ニコチンパッチ等)などのサポート体制を伝えることで、前向きな対話につなげます。

根拠資料: 文部科学省『学校における禁煙推進の手引き』

(2026.10)

受動喫煙および「三次喫煙(サードハンドスモーク)」の健康影響はどの程度ありますか?

三次喫煙(喫煙者の髪、衣類、部屋の壁紙等に付着した残留物から有害物質が揮発すること)は、単なる「不快な臭い」にとどまらず、明確な健康被害が存在します。

• 影響: 残留したニコチンや発がん性物質(ニトロサミン等)が再浮遊し、特に床近くで過ごす小児や乳幼児のアレルギー性疾患(小児喘息等)の悪化、呼吸器機能低下、発がんリスクの上昇につながることが判明しています。

根拠資料: 厚生労働省『喫煙と健康 喫煙の健康影響に関する検討会報告書』

(2026.10)

断り方のロールプレイを行う際、指導上で絶対に避けるべき注意点は何ですか?

ロールプレイ演習を行う際、「薬物やたばこを誘う悪役(誘い手役)」を児童生徒に演じさせてはいけません。

• 理由: 児童生徒に誘う役を演じさせると、言葉や仕草を通じて無意識に悪影響や興味を与えてしまう危険性があります。誘う役は必ず教員や学校薬剤師等の外部講師が担当し、児童生徒には「きっぱり断る役」に専念させてください。

根拠資料: 文部科学省『薬物乱用防止教室推進マニュアル』

(2026.10)

視覚的理解を深めるための実験を行う際、どのような点に注意すればよいですか?

かつてよく行われていた有毒な有機溶剤(シンナー等)で発泡スチロールを溶かす実験は、室内での有毒蒸気の飛散・吸入リスクや火気に注意が必要です。

• 安全対策: 有機溶剤を使用する場合は、徹底した換気を行ってください。または、より安全性の高い代替実験(レモンの皮のリモネン成分による溶解実験や、スモーキングマシーンによるタール付着実験)への切り替えを推奨します。

根拠資料: 文部科学省『薬物乱用防止教室推進マニュアル』

(2026.10)

児童生徒が自分事として考えられるような工夫(ワークショップやマンガ等)には何がありますか?

• マンガの吹き出し(断り方): 友達から「すっきりするよ」「1回だけなら大丈夫」と誘われた場面のマンガを見せ、自分ならどう断るかを吹き出しに記入させます。

• 断る3ステップ: ①「はっきり断る」②「その場を離れる」③「大人(保護者・先生・警察等)に相談する」を具体的にイメージ・言語化させることが効果的です。

根拠資料: 日本学校保健会『喫煙防止・薬物乱用防止教育教材』

(2026.10)

特別支援学校における「くすり教育・薬物乱用防止教育」はどのように進めればよいですか?

集団での一斉講義形式では理解が難しい場合が多いため、児童生徒の障害の特性や理解度に応じた個別の配慮を行います。

• 指導の工夫: 実物(ダミー教材)や視覚的な絵カード、シンプルな○×クイズを活用し、「自分の体を大切にする」「落ちているものは口に入れない・触らない」「知らない人からもらったものは飲まない」など、日常の身を守る安全教育と結びつけて指導します。

根拠資料: 文部科学省『特別支援学校における保健教育指導の手引き』

(2026.10)

薬物乱用防止教室を開催する際、養護教諭や学校側が事前に準備・配慮すべきことは何ですか?

外部講師(学校薬剤師・警察・保健所等)は専門知識を持っていますが、その学校の児童生徒の性格や雰囲気までは把握していません。

• 事前打合せのポイント:
1. 児童生徒の学年・雰囲気、過去の事前アンケート結果の共有。
2. ショックを受けやすい写真(皮膚障害等)への配慮の有無。
3. 学校側の希望する重点内容(大麻、市販薬OD、断り方など)の伝達。

根拠資料: 文部科学省『薬物乱用防止教室推進マニュアル』

(2026.10)

外部講師(学校薬剤師、警察官、保健所職員等)はどのように使い分け・選定すればよいですか?

校種や目的に応じて最適な講師を選定します。

• 学校薬剤師: 薬理作用、脳・身体への影響、医薬品の正しい使い方、大麻・市販薬ODの危険性など、医学的・科学的観点からの指導に最も適しています(小・中・高全校種に推奨)。

• 警察官・税関職員: 違法薬物の犯罪性、事件事故の実例、麻薬探知犬のデモなど、社会的威嚇効果・法規範の遵守を強調したい場合に適しています(中・高校等)。

根拠資料: 山口県薬物乱用防止指導員 / 推進員設置要綱

(2026.10)

薬物乱用防止教室の開催に適した時期やタイミングはいつですか?

解放的になり行動範囲が広がる「夏休み前」や「長期休業前」に実施する学校が多いですが、現在はSNS等を通じて年間を通じて危険が潜んでいます。

• 運用のポイント: 1年に1回のイベントで終わらせず、長期休業前の注意喚起や、保健体育の授業、学年集会などで定期的に触れ続けることが重要です。

根拠資料: 文部科学省『薬物乱用防止教室推進マニュアル』

(2026.10)

事後指導・定着・組織体制

教室開催後、記憶を定着させるために保健室や担任からできる継続指導は何ですか?

講義直後は意識が高まっても、時間の経過とともに薄れていくため、日々の生活の中で復習する機会を作ります。

• 継続指導の例:
o 保健室前廊下への定期的なクイズ・ポスター掲示。
o 「保健だより」での振り返りや事後アンケート結果の共有。
o 上級生が下級生に対して薬物の危険性や断り方を教える「ピア・エデュケーション(仲間教育)」の活用。

根拠資料: 日本学校保健会『学校保健活動ガイドライン』

(2026.10)

喫煙防止教育や薬物乱用防止教育を行う際、「絶対に言ってはいけないこと」や留意点はありますか?

「一度捕まっても更生できる」「更生施設で治せる」といった更生に関する話を強調しすぎることは避けるべきです。

• 理由: 「失敗しても後でやり直せばいい」という油断や安心感を与えてしまうリスクがあります。「1回でも乱用(ダメ。ゼッタイ。)」であり、脳や身体への破壊作用は取り戻せないという未然防止のスタンスを貫くことが鉄則です。

根拠資料: 文部科学省『薬物乱用防止教室推進マニュアル』

(2026.10)

山口県における「薬物乱用防止指導員」と「薬物乱用防止推進員」の違いや組織体制について教えてください。

山口県では薬物乱用対策推進本部(健康福祉部薬務課)のもと、以下のように設置されています。

• 薬物乱用防止指導員: 専門的職能を有する学校薬剤師等が委嘱(定数約300名)され、主に学校での「薬物乱用防止教室」の講義や教育指導、学校・保健所との協議連絡を担います。

• 薬物乱用防止推進員: 各市町村単位で委嘱(定数400名以内)され、地域社会での啓発活動や相談・指導、関係機関との相互連絡を担います。

根拠資料: 山口県薬物乱用防止指導員設置要綱 / 山口県薬物乱用防止推進員設置要綱

(2026.10)

環境衛生

清掃・排水管理

清掃で使用した雑巾の洗い水(汚水)の捨て場に困っています。専用の雑用排水シンクがないため手洗い場で流していますが、衛生上どのように運用すべきですか?

衛生管理の原則として、「飲用・手洗い用の流し」と「清掃・雑汚水用の排水場所」は明確に区分・分離することが推奨されます。手洗いや飲用に使うシンクに清掃汚水を流すと、雑巾由来の細菌や土砂が水栓やシンク内に飛散し、手洗いやうがいの際の交差汚染リスクとなります。

【現場での改善策と配慮事項】
1.足洗い場や屋外排水溝の活用: 校内に足洗い場やスロップシンク(掃除用流し)、屋外の排水溝がある場合は、そちらを清掃汚水の捨て場として優先的にご使用ください。
2.流しの用途別指定(手洗い場しか存在しない場合): 屋外や専用流しがない場合は、手洗い場の中の特定の1箇所を「清掃用(バケツ洗浄・排水専用)」と指定し、児童生徒が普段の手洗いや飲用に使用する蛇口と明確に区別・貼り紙等で明示してください。
3.清掃・消毒の徹底: 清掃作業終了後は、排水に使用したシンク内および蛇口周辺を水でよく洗い流し、定期的に消毒(次亜塩素酸ナトリウム等での清掃)を行ってください。

• 根拠資料:
o 文部科学省『学校環境衛生の基準』第3(日常の環境衛生等)
o 日本学校薬剤師会『新訂 学校環境衛生の基準解説書』


(2026.8)

男子トイレの臭いが掃除をしても取れません。原因と具体的な対策を教えてください。

トイレの悪臭は日常の表面的な清掃だけでは解決しないケースが多く見られます。悪臭の主な原因は以下の4つに分類されますので、要因に応じた対策を行ってください。

【悪臭の4大原因と対策】
1.排水トラップの不具合(封水切れ・破損):
o原因: 排水管からの悪臭を止める「トラップ」の封水(水溜まり)が蒸発して無くなっている、またはトラップ自体が破損・ズレを起こしている。
o対策: しばらく使っていない便器や床排水口には水を流して封水を張る。配管損傷が疑われる場合は施設施工業者へ修理を依頼する。

2.床や壁に染み込んだ尿(アンモニア臭):
o原因: 小便器まわりや和式便器周辺の床・壁に飛散した尿が蓄積・乾燥し、アンモニアガスを発生している。
o対策: 乾拭きではなく、クエン酸系洗剤や酸性洗浄剤を用いて拭き上げる。床材の目地に染み込んでいる場合は専門業者による床面洗浄や目地の張り替えが必要。

3.便器内・配管内に付着した「尿石」:
o原因: 尿成分中のカルシウム塩が固着した「尿石」に細菌が繁殖し、強い悪臭を発している。
o対策: 通常の中性洗剤では除去できないため、医薬用外劇物等に該当しない市販の「尿石除去剤(酸性洗浄剤)」を塗布して溶かし落とす。

4.清掃用具の管理不備:
o原因: 汚れたまま放置されたモップ、雑巾、柄付きブラシ自体が雑菌の温床となり臭気を放っている。
o対策: 使用後の清掃用具はしっかり洗浄・消毒し、風通しの良い場所で十分乾燥させて管理する。
※日常清掃を徹底しても改善しない構造的・設備的トラブル(配管亀裂、トラップ不具合等)の場合は、早めに教育委員会施設課または専門業者へ調査・修繕を依頼してください。

•根拠資料:
o日本学校薬剤師会『新訂 学校環境衛生の基準解説書』
o文部科学省『学校施設の推進性能指針(トイレ環境の整備)』
o特定非営利活動法人 日本トイレ協会『学校トイレの維持管理ガイドライン』


(2026.8)

清掃・衛生管理

加湿器(特に超音波式)を教室に設置する際、衛生上で注意することはありますか?

冬場の乾燥対策として加湿器を設置する学校が増えていますが、管理を怠ると「加湿器病(アレルギー性肺炎)」や雑菌・カビの飛散を引き起こします。

•超音波式加湿器のリスク: 超音波式はタンク内の水を加熱殺菌せずそのまま微粒子化して放出するため、タンク内で繁殖したレジオネラ菌やカビを拡散させるリスクが極めて高い方式です。学校現場での超音波式の使用は原則推奨されません(加熱蒸気式やスチーム式、気化式を推奨)。
•毎日の水交換と洗浄: どの方式であっても、タンクの水は毎日必ず全量捨て、新しい水道水(塩素効果のある水)と交換してください。継ぎ足し使用は厳禁です。週末や休業前にはタンクおよび本体を乾燥させてください。

•根拠資料:
o厚生労働省『レジオネラ症防止指針』
o日本学校薬剤師会『学校環境衛生の基準解説書』


(2026.8)

教室のエアコン(クーラー・暖房)のフィルター清掃はどのくらいの頻度で行うべきですか?

エアコンフィルターの汚れは、カビ(真菌)やダニのハウスダストを教室内に循環させる原因となり、アレルギー疾患や呼吸器症状を悪化させます。

•清掃頻度: 使用シーズン中(夏・冬)は、月に1~2回程度フィルターを取り外して掃除機での吸い取りや水洗いを行ってください。
•シーズン開始前の確認: 使用開始前(6月・11月頃)には、内部にカビが発生していないか確認し、試運転とフィルター清掃を行ってください。カビ臭が強い場合は専門業者による内部分解洗浄が必要です。

•根拠資料:
o文部科学省『学校環境衛生の基準』第3(日常の環境衛生等)


(2026.8)

感染症対策・各種消毒液の取扱い

教室や共用部分の消毒について、「どこを」「何を使って」「どのように」消毒すべきですか?

• どこを?: 不特定多数の児童生徒や教職員が頻繁に手で触れる場所(ドアノブ、水道の蛇口、手すり、窓枠の取っ手、電気スイッチ等)を重点的に行います。床全体の消毒は不要です。

• 何を?: 消毒用エタノール(60〜81.4 vol%)、または0.05%次亜塩素酸ナトリウム液を使用します。(※感染者発生時のトイレ周辺は0.1%次亜塩素酸ナトリウム液を使用)。

• どのように?: 消毒液を布やペーパータオルに浸して清拭(拭き上げ)します。空間噴霧は健康被害や効果不確実のため行わないでください。

根拠資料: 厚生労働省・経済産業省『新型コロナウイルスに有効な消毒・除菌方法』

(2026.10)

次亜塩素酸ナトリウム、エタノール、次亜塩素酸水、界面活性剤の注意点と使い分けを教えてください。

各消毒液の特性と注意点は以下の通りです。

• 消毒用エタノール: 引火性があるため火気厳禁。スイッチ等の電気基板には直接噴霧せず、布に含ませて拭きます。

• 次亜塩素酸ナトリウム: 金属腐食性と漂白作用があります。金属部は清拭後15分程度置いてから必ず水拭きしてください。また、パルプ素材のペーパータオルは塩素を失活させるためレーヨン素材の布等を使用します。

• 次亜塩素酸水: 光や空気で急速に失活するため、使用直前に濃度(80ppm以上等)を確認し、汚れ(有機物)を事前に落としてから清拭します。手指消毒用としての使用は推奨されません。

• 住宅用洗剤(界面活性剤): 0.2%アルキルアミンオキシド等はコロナ等一部のエンベロープウイルスに有効ですが、ノロウイルス等には無効です。また誤飲リスクがあるため給食器具には使用しないでください。

根拠資料: 経済産業省・NITE(製品評価技術基盤機構)発表資料

(2026.10)

次亜塩素酸ナトリウムや塩化ベンザルコニウムの希釈液は、作り置きしておいても大丈夫ですか?

• 次亜塩素酸ナトリウム希釈液: 「毎日使用前(当日)に調製し、当日中に使い切る」のが鉄則です。遮光気密容器内であっても経時変化で失活し、特に直射日光下では1日で塩素濃度がゼロになります。

• 塩化ベンザルコニウム希釈液: 化学的には比較的安定ですが、希釈水内で一部の細菌(緑膿菌等)が繁殖・汚染されるリスクがあるため、最長でも1ヶ月を目安に全量廃棄・容器洗浄して交換してください。

根拠資料: 厚生労働省『大量調理施設衛生管理マニュアル』

(2026.10)

ノロウイルスや感染性胃腸炎が発生した際、嘔吐物や床・リネン類はどのように消毒処理すればよいですか?

ノロウイルス等のノンエンベロープウイルスにはエタノールや塩化ベンザルコニウムは効果が不十分なため、次亜塩素酸ナトリウムを使用します。

• 嘔吐物・便の処理: 使い捨て手袋・マスク・ガウンを着用し、0.1%(1000ppm)次亜塩素酸ナトリウム液を浸した古布等で外側から内側に向けて拭き取ります。

• 汚染された衣類・リネン: 洗剤での下洗い後、0.1%次亜塩素酸ナトリウム液に30分以上浸漬してから洗濯機で洗います(熱湯85℃・1分以上でも可)。

• 通常の清拭: 直接の汚染部位でなければ0.02%(200ppm)で清拭します。

根拠資料: 厚生労働省『ノロウイルスに関するQ&A』

(2026.10)

体育器具(マット、跳び箱、ボール等)や共用具(鍵・粘土)の消毒はどう対応すべきですか?

原則として、使用前後の「丁寧な手洗い」を徹底すれば共用具の消毒は不要です。ウイルスは物体の表面で数日(3日程度)で自然失活します。

• どうしても消毒したい場合:
o 金属・プラスチック類:消毒用エタノール清拭。
o ゴム・革製品:エタノールや次亜塩素酸ナトリウムは変質・漂白の恐れがあるため、0.2%アルキルアミンオキシド等の界面活性剤液を含ませた布で固く絞って拭きます。
o 鍵:持ち手部分のみ1日1回消毒用エタノールで清拭。
o 共用粘土:消毒は不可能なため、使用前後の手洗いまたは使い捨て手袋の着用で対応します。

根拠資料: 文部科学省『学校の新しい生活様式』

(2026.10)

酸化チタンの「光触媒スプレー」や「空間除菌剤」を校内で使用してもよいですか?

どちらも学校現場での使用・設置は推奨されません。

• 光触媒スプレー: 室内や暗所での殺菌効果が不確実である上、スプレー成分(酸化チタン微粒子)を吸入した際の「肺への蓄積・炎症リスク(吸入毒性)」が懸念されるため不適当です。

• 空間除菌剤(置き型・噴霧型): 二酸化塩素等の空間噴霧は国際的にも消毒法として認められておらず、眼や呼吸器への刺激・安全性が確保できないため学校では使用しないでください。換気を行うことが最も有効です。

根拠資料: 労働安全衛生総合研究所(JNIOSH)報告 / 世界保健機関(WHO)ガイドライン

(2026.10)

保健室の環境衛生・救急処置

保健室で発熱者や体調不良者を休ませた後の「寝具(ベッド・シーツ)」やエリアの消毒はどうすればよいですか?

• エリア分け(動線): 発熱・飛沫症状のある児童生徒と、ケガ等の一般来室者の動線を分け、ベッドも発熱者専用ブースを設けます。アルコール清拭が可能なビニールレザー製ソファーベッド等の活用も有効です。

• 寝具の取扱い:
o シーツ・枕カバー:使用後に通常の洗濯機・洗剤で洗濯すればウイルスは除去できます(もみ洗いは不要)。
o 洗濯できないマットレス・布団:天日干しを行うか、あて布をしてスチームアイロンで十分な熱と蒸気をあてて乾燥・消毒します。敷布団にはあらかじめ防水シーツを敷いておくのも有効です。

根拠資料: 日本学校保健会『保健室のファシリティマネジメント』

(2026.10)

健診器具や応急手当用器具(耳鏡・舌圧子・ピンセット等)の消毒基準を教えてください。

器具が接触する部位(粘膜か健全な皮膚か)によるSpaulding(スポールディング)の分類に基づいて消毒を行います。

分類接触対象該当器具消毒・処理方法セミ
クリ
ティ
カル
粘膜・創のある皮膚耳鏡、鼻鏡、歯鏡、舌圧子、ネブライザー中水準消毒:熱水(80℃・10分)、消毒用エタノール、次亜塩素酸ナトリウム液(200~1000ppm)、またはディスポーザブル(使い捨て)使用・外注滅菌ノン
クリ
ティ
カル
健全な皮膚血圧計カフ、膿盆、吸引瓶、ピンセット洗浄/低水準消毒:消毒用エタノール清拭、または0.1~0.2%塩化ベンザルコニウム液清拭


根拠資料: 厚生労働省『医療現場における消毒と滅菌のガイドライン』
(2026.10)

環境衛生

体育館の照明を水銀灯からLEDに変更する際に明るすぎるという声を学校から聞きます。体育館の照度に関して何か決まりはあるのでしょうか?
学校環境衛生管理マニュアルP58~60の内容以外に参考になる資料があれば教えてください。

照度基準については、現行の学校環境衛生基準のとおりです。体育館についてはJIS基準です。LED照明では、照度Lxの評価以外にルーメンとカンデラを考えないといけないようですが、学校環境衛生基準に規定がなく基準もないため言及できません。
照明工学の範疇で的確に回答できず申し訳ありません。
拡散パネルを付けたり、色調の調光などされるようです。器具を交換するだけでなく設置の計画段階から検討が必要なようです。

参考までにパナソニックの「学校の照明」という資料をご覧ください。
 https://www2.panasonic.biz/ls/lighting/plam/knowledge/document/0206.html

また、一般社団法人照明学会のHpに「LEDに関する正しい情報Q&A」というのがあります。
 https://www.ieij.or.jp/
(2021.10)

新型コロナウイルスについて(収束の見通し、学校における消毒の範囲、児童への指導事項等)

収束の見通し:
変異株がどの程度流入するか、ワクチンの効果等がどう影響するかによります。

学校における消毒の範囲:
現在わかってきていることは、接触感染による感染は極めて少なく、大半が飛沫感染による感染であること。集団生活においては飛沫感染防止が一番です(換気)。学校においては通常の清掃がしてあれば十分であると考えられますが、不特定多数が良く触れる箇所に関して1日1回、アルコール清拭をしてください。一般的な換気の概念でいうと、窓開け換気は自然条件に左右され、機械換気は部屋の大きさと機械の換気能力に依存します。
(2021.6)

トイレの換気で窓を開けるよう指導したら、換気扇を回しておけば十分だと思っていた児童がいました。換気扇を使用した時と窓を開けたときの換気の効果を知りたいです。

トイレの床面積に対して、十分な大きさの換気扇が設置されている場合には、トイレ全体を強制的に陰圧し、廊下等へ漏らさないという目的で換気扇を常時回しておくということも有効です。ただし学校の場合、休み時間には一時的な混雑が予想されますので、無用な会話の禁止、ふたを閉めて流すなどの使い方の指導、十分な手洗いの指導を徹底してください。
(2021.6)

熱中症対策において、環境衛生から見た対策のポイントを教えてください。(暑さ指数の使い方、クーラーがない教室の場合の対策など)

暑さ指数WBGTは熱中症の起こりやすさを気象条件から客観的に知るうえで有用ですが、マスク着用環境下においては、熱の発散が抑えられ、熱虚脱が起きやすく、また、のどの渇きを気付きにくい状況にあるため、これからは指数に依存せず、飲水、休憩をとる判断が必要がとなります。 夏季に「クーラーがない教室」を使用することは、近年の気温上昇、マスク着用環境下から考えると現実的ではありません。学校環境衛生基準に則して、早急にエアコン設置、もしくは他教室を活用することを検討すべきです。
(2021.6)

コロナ禍における換気について知りたいです。現状、換気をしながらエアコンをかける予定ですが、できるだけ冷房を効かせるためにできる工夫があれば知りたいです。
夏の換気方法、熱中症対策、エアコン使用の注意点について
エアコン使用時における適切な換気方法についてお聞きしたい
換気の理想的な頻度

夏は気温が上昇する前の早い時間からエアコンを稼働させ、早めに一定の温度まで下げておくことがいいでしょう。室温が一旦高くなってしまうと、それを下げるために多くの電力を必要とし、またエアコンの処理能力を超えてしまい、下げることができなくなることがあります。
換気については、これまでの学校環境衛生検査での状況から、エアコンを稼働しながら教室の換気基準を守るには、対角線上に2か所窓や欄間を開けて通気を確保することが基本です。空気の通り道を確保すれば大きく開けなくても換気はできますが、開口部の大きさは、風向、風速、温度差、教室の配置などによって変わってきます。
学校薬剤師は二酸化炭素の状況を測定しながら助言ができますのでご相談ください。
(2021.6)

今後エアコンや暖房器具の稼働により生徒たちが換気のための窓開けを嫌がる場面が出てくると思うので、効率のいい教室換気の方法が知りたいです。サーキュレーターも小さいものですが各クラス1つ設置されたので、サーキュレーターの正しい設置場所などあれば教えていただきたいです。

通常のエアコンでは換気はできないので、暖房中と同様に常時換気をするのが一番望ましいです。その際、窓を大きく開ける必要はなく、対角線上に2カ所15cm程度開けてください。
どうしても常時換気が難しい場合は、休憩時間毎に5~10分間しっかり窓開け換気をしてください。
対角線上に2カ所以上、風が入ってくる側の窓は狭く、出ていく側の窓は広く開けて、扇風機などを窓に向けて空気を押し出せば効果的に換気ができます。
サーキュレーターを置く位置は、一般的には、エアコンの正面に置いて、エアコンの送風口に向ける。あるいは、冷房時エアコンの真下に置いて、エアコンを背にして床に水平に向ける。などがありますが、教室の場合、児童生徒に直接風が当たらないようにスペースを確保するのが難しいため、天井へ向けて送風し、天井から教室内の空気を撹拌する方法が現実的と思います。
(2021.6)

換気の理想的な頻度について

A:(学薬ホームページQ&Aより)
一般的なエアコンは室内の空気を循環しているだけで、室内の空気と外気の入れ替えを行っていないことから、文科省のマニュアルを参考に、冷房時、暖房時を問わず、換気を行ってください。
 
 〈換気の方法〉 (夏季も冬季も同じです)
① 休み時間ごとに全窓開放し外気とほぼ同等の空気環境にする。授業中は常時、教室内の対角線上の1つ以上の窓を同時に開け、自然換気する。
② 天候などの状況により、窓開けが困難な場合は、こまめに、30 分に1回以上、数分間程度、全窓開放する。
③ 換気扇がある教室は常時稼働させる。特に悪天候等により自然換気ができない時には積極的に 機械換気を行う。
風が弱く入りにくい場合には、空気の通り道をつくるように、風が入ってくる方向の窓は小さく、出ていく方向の窓は大きく開けておくと効率的に換気されます。 休み時間ごとに全窓開放し外気と同等にすることはたいへん重要です。必ず実施してください。

※ダイキン工業株式会社HP「上手な換気の方法」等も参考にしてください。
(2021.6)

講師の方のおすすめの消毒や保健室にあるといい物品が知りたいです。また、プールの際の留意点も教えていただきたいです。
消毒液の種類と使い分け方法

物品:消毒用アルコール、次亜塩素酸ナトリウム液で十分です。

一般的にはアルコール清拭ですべて消毒できます。ノロウイルスが流行したときのみ次亜塩素酸ナトリウム液を0.1%に希釈して消毒してください。
(2021.6)

養護教諭が日頃から気を付けておくべきこと、見落としてしまいそうな危険な箇所について

AEDの点検(ランプ)は、確認しておく必要があります。確認したというチェックが必要です。
教職員、誰でもよいですから、チェックする担当者を決めるとよいです。
(2021.6)

砂場の衛生管理はどうしたらよいですか

幼児児童等が砂場を使用する前には、必ず点検し、犬猫等の糞便が確認された場合、その周りの砂を含めて処理する。必要があれば砂場の消毒を行う。
砂場の消毒方法の例

・次亜塩素酸ナトリウムを用いる方法
  次亜塩素酸ナトリウム(塩素濃度100-200ppm)を砂場に1週間散布。
  その後は月に1度行う。

・黒いビニール袋を使って行う方法(お天気の良い日に行う)
  黒いビニール袋を砂場より大きくなるよう繋ぎ合わせ、ビニールシート状にする。
  砂場を覆い、中の空気の流通を防ぐように周囲を石や砂で押さえる。
  一日中そのままを維持する。(シート内部の温度が60℃を超え、寄生虫卵等を死滅・減少させることができる)
  数日置いて、再度繰り返す。

・熱湯を用いる方法
  砂を取り出し、熱湯消毒後、乾燥させる。

犬猫等が入らないような環境を整えること。使用後は手を洗うこと。
(2021.6)

コロナ禍での学校環境衛生で、養護教諭が日常の学校生活の中でできることを教えていただきたいです。

換気が徹底されているか常にチェックしましょう。教室の保健委員等と連携してください。また、職員室の毎日の換気、教職員への換気や消毒への指導もお願いします。
(2021.6)

今勤めている学校は以前からジェスパ(次亜塩素酸ナトリウム0.008%)で校舎の消毒や手指の消毒をしているが、新型コロナやノロウイルスに効果はあるのか知りたいです。

ジェスパは次亜塩素酸ナトリウムではなく、次亜塩素酸水です。またこれは医薬品ではありません。環境の消毒に次亜塩素酸水(80ppm)を使用してよいとはしていますが、手指の消毒には不向きです。手指はしっかりとした手洗いで十分です。手洗いできない環境においてのみ、アルコール擦式消毒薬を使用してください。
★次亜塩素酸水については使用方法について注意が必要です。
1.温度や紫外線で濃度が低下しやすいため、濃度が80ppm以上あるかどうか定期的に確認すること。(塩素濃度測定試験紙等)
2.消毒するものの汚れは落としておくこと(汚れがある状態では消毒できません)
3.ペーパータオルに浸漬して使用すると効果が著しく低下します。浸漬して使用するなら布に浸すこと。
(2021.6)

校内消毒について

机、椅子についても、特別な消毒作業は必要ありませんが、衛生環境を良好に保つ観点から、清掃活動において、家庭用洗剤等を用いた拭き掃除を行うことも考えられます。
大勢がよく手を触れる箇所(ドアノブ、手すり、スイッチなど)は1日に1回、水拭きした後、消毒液を浸した布巾やペーパータオルで拭きます。また、机、椅子と同じく、清掃活動において、家庭用洗剤等を用いた拭き掃除を行うことでこれに代替することも可能です。なお、児童生徒等の手洗いが適切に行われている場合には、これらの作業を省略することも可能です。
(学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル ~「学校の新しい生活様式」~ (2021.4.28 Ver.6)より抜粋)
(2021.6)

養護は検査中はどういう動きをしていたらよいか。検査までに準備しておいてほしいことはあるか。

人によってやって欲しい事は異なりますので、担当薬剤師に単刀直入に聞いてみるのが一番いいと思います。
(2021.6)

照度の基準値はどのようなものですか。基準値には達しているのですが、学習をするにあたって少し暗く感じることがある。そのような際の対応はどのようにすべきか。

下限が300ルクス以上、500ルクス以上が望ましい。
照明機器の清掃や交換を行ってもなお基準値に達しない場合は、照明機器の増設を検討する。
学校薬剤師の定期検査の結果報告書を用いて交渉するとよいのではないかと思います。
(2021.6)

その他

日常点検・学校環境衛生検査・学校薬剤師連携

学校環境衛生の「日常点検」と「定期検査」の違い、および記録の保管義務について教えてください。

• 日常点検: 養護教諭や教職員が毎日・毎月行う点検(教室の温度・湿度、採光、水道水残留塩素、施設破損の確認等)。異常がない場合も「異常なし」と明確に記入します。記録の保存期間は法令で3年間です。

• 定期検査: 学校薬剤師が法令に基づいて年間に定められた計画に従い実施する専門検査(空気、照度、水質、プール、ダニ等)。

根拠資料: 文部科学省『学校保健安全法』および告示

(2026.10)

学校環境衛生検査の実施時期の目安を教えてください。

各項目ごとに適切な検査時期が定められています。

• 換気・空気環境(CO2・温度・粉じん等): 夏期(6〜7月)および冬期(12〜2月)。
• 採光・照度・黒板面色彩: 随時(特に日が短くなる秋〜冬期や定期点検時)。
• 水質(飲料水・受水槽): 毎年度1回以上(夏休み明けや新学期前)。
• 水泳プール水質: プール使用期間中(遊泳前および毎月1〜2回)。
• ダニ・アレルゲン: 梅雨時期から夏期(6〜9月)。
• 揮発性有機化合物(シックハウス): 新改築・大規模改修後または新備品導入後の1〜2ヶ月以内。

根拠資料: 文部科学省『学校環境衛生の基準』

(2026.10)

定期検査を「省略できる項目」にはどのような決まりがありますか?

法令上、検査を省略・回数削減できるのは以下の場合に限られます。

1. 騒音: 測定結果が著しく基準値を下回り(窓全閉時 45 dB以下、全開時 50 dB以下)、その後周辺環境に変化がない場合。

2. 揮発性有機化合物(VOC): 定量検査(HPLC法等)で基準値の1/2以下であり、その後の改装や新備品搬入がない場合。

3. 一酸化炭素(CO)・二酸化窒素(NO2): 教室等で裸火の燃焼器具(石油ストーブ等)を使用しない場合。

根拠資料: 文部科学省『学校環境衛生の基準の施行について』

(2026.10)

検査で「異常値(不適合)」が出た場合、養護教諭や学校はどのような手順を踏めばよいですか?

1. 原因の考察: 学校薬剤師とともに異常値の原因(換気不足、設備故障、経年劣化等)を考察します。

2. 臨時検査の実施: 必要に応じて原因を特定するための追跡調査・臨時検査を実施します。

3. 設備改善の要望: 校長・教育委員会へ報告書(薬剤師の指導コメント添付)を提出し、設備の修理・改善・予算要求を行います。

根拠資料: 日本学校薬剤師会『学校環境衛生の手引き』

(2026.10)

学校環境衛生の重要性を他の教職員や学校管理職に理解してもらうにはどうすればよいですか?

• 目的の違いを共有する: 「健康診断」は児童生徒の異常を早期発見するためのものであり、「学校環境衛生検査」は異常を出さないための安全・安心な環境整備(予防処置)であることを説明します。

• 数値と身体症状を結びつける: 単に「基準オーバー」と伝えるだけでなく、「CO2が1,500ppmを超えると集中力が落ちて眠気が出る」「照度が足りないと近視が進みやすくなる」といった児童生徒への具体的な影響資料(報告書のコメント)を添えて周知します。

根拠資料: 文部科学省『学校保健安全法』

(2026.10)

熱中症・脱水・生活衛生

熱中症予防における正しい「水分補給」のタイミングや飲み物の種類について教えてください。

• 補給のタイミング: 「のどが渇いた」と感じた時点ですでに脱水が始まっています。のどが渇く前に1日8回程度(登校時、各休み時間、体育前後、下校前等)こまめに摂取させます。

• 経口補水液とスポーツドリンクの使い分け:
o 日常の水分補給・軽度の運動:水または麦茶で十分です。
o 大量発汗時や熱中症の初期症状時:塩分と糖分が急速吸収できるよう調整された「経口補水液」を使用します(※通常時に経口補水液を日常飲用する必要はありません)。

根拠資料: 日本スポーツ協会『スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック』

(2026.10)

気温が上昇していく中で空調設備の整備が間に合わないため、望ましい17℃以上28℃以下の気温を維持することが難しい状況にあり、教室内においても熱中症となる危険性が増しています。それに対して学校環境の面から行える工夫がありますか。

日常点検で温度を毎日記録しておきます。
高温となりやすい教室は、カーテンや植栽で直射日光を遮る、扇風機を設置し、風が出る側の反対側に濡れタオルや氷水を置いておくなど。

学校の規模にもよりますが、一時的な教室の移動を検討する。視聴覚室、コンピューター室、図書室、保健室などの利用も検討する。
さらには自由飲水や、アイスノンや蒸散タオルなどの使用を検討する。


(2019.9)

水筒を持参する場合の水について教えてください

前提として、学校環境衛生基準は「学校で供給する飲料水」を対象としており、家庭から持参する水筒の水は対象外です。

ですが、児童生徒の健康安全の観点から学校薬剤師としては衛生管理の注意喚起が必要です。
中身は、水やお茶は問題ありません。スポーツドリンクは糖分が多く虫歯リスクがあるため、常用は控えると良いでしょう。

衛生管理として、児童同士の水筒の共有は避ける、前日の残りは使わない、パッキン部分はカビが生えやすいため、毎日分解して洗浄し、十分に乾燥させることが重要です。

(2026.9)

水筒やマイボトル(金属製容器)にスポーツドリンクや清涼飲料水を入れる際の注意点は何ですか?

• 金属中毒のリスク: 容器内部にキズやサビがある場合、スポーツドリンクや乳酸菌飲料、果汁などの「酸性飲料」を長時間入れておくと、酸によって金属(銅や亜鉛等)が溶け出し、急性中毒(悪心・嘔吐・腹痛)を引き起こすことがあります。

• 安全対策: ステンレス製でフッ素コーティング等の対応がされたスポーツドリンク対応ボトルやプラスチック製ボトルを使用し、洗浄時にパッキンや内部のキズ・サビを定期点検してください。また炭酸飲料やドライアイスは破裂事故の原因となるため絶対に入れないでください。

根拠資料: 厚生労働省・食品安全委員会『金属製容器からの溶出事故注意喚起』

(2026.10)

校内の砂場における犬猫の糞便汚染(回虫卵等)や衛生管理はどう対応すべきですか?

• 日常管理: 使用前には教職員が点検し、糞便が発見された場合は周囲の砂を含めて除去します。使用後は速やかに石けんでの手洗いを指導します。

• 進入防止対策: 使用していない時間帯や夜間・休業日は、シート(防護カバー)で砂場全体を覆うことが最も有効です。

• 消毒: 消毒を行う場合は、次亜塩素酸ナトリウム液(200〜300 mg/L)を定期的に散布・混和します。

根拠資料: 文部科学省通知『砂遊び場(砂場)の衛生管理の徹底について』

(2026.10)

校内でアタマジラミが発生した場合の対応と駆除方法を教えてください。

• 基本的な認識: アタマジラミは清潔・不潔に関係なく誰にでも寄生します。差別や偏見が生じないよう配慮します。

• 駆除方法: 医薬品(スミスリンシャンプー®等)を2日おきに3〜4回使用し、同時に専用の目の細かい櫛(シラミ用コーム)で卵や幼虫をすき取り落とします。

• 家庭・校内での対策: タオル、帽子、ブラシ、寝具の共用を避けます。頭髪が接するシーツや枕カバーは55℃以上の湯に5分以上浸けてから洗濯することで全滅します。

根拠資料: 国立感染症研究所『シラミ症とは』</span>
(2026.10)

特別支援・施設設備の特殊衛生

校内に専用トイレがない場合、車椅子の児童が簡易トイレを使用する際の衛生・プライバシー対策はどうすべきですか?

• 配置場所の床対策: じゅうたんやカーペットの上は汚染時の清拭・消毒が不可能なため、必ず拭き取り消毒が可能なビニールクロスや防水マットを敷いた上に簡易トイレを設置します。

• 手指衛生と動線の確保: 排泄直後に手指衛生ができるよう、近くに速乾性手指消毒薬や手洗いスペースを確保し、介助者の手洗い動線も整えます。

• 恒久対策: プライバシーと尊厳の保持、衛生管理の観点から、教育委員会へバリアフリー専用トイレの早期設置を組織的に要望してください。

根拠資料: 文部科学省『学校施設バリアフリー化推進指針』

(2026.10)

敷地内にツバメの巣やハチの巣ができた場合、どう対応すべきですか?

• ハチの巣: 刺されるとアナフィラキシーショックにより生命に関わる危険があるため、発見次第直ちに児童生徒を近づけない措置をとるとともに、専門の駆除業者へ依頼して取り除きます。

• ツバメの巣: 基本的には温かく見守りますが、プールサイドや給食室周辺、昇降口等で糞による細菌汚染や衛生上の害がある場合は、フン受け板を設置するか、営巣初期に防鳥ネット等を張って対応します。

根拠資料: 日本学校保健会『学校の環境衛生と害虫対策』

(2026.10)

救急用品・法規・資材

薬局で「生理食塩液」が買えなくなった理由と、学校での代替品について教えてください。

• 理由: 薬機法の改正に伴い、注射剤である「生理食塩液」が「処方箋医薬品」に分類指定されたため、ドラッグストア等の店頭で処方箋なしで購入することができなくなりました。

• 学校での対応: 応急手当や創傷洗浄、眼の洗浄には、「飲用適の綺麗な水道水(流し水)」を使用すれば医学上全く問題ありません。

根拠資料: 厚生労働省 医薬品分類変更通知

(2026.10)

手洗いチェック器械(手洗い評価キット)とはどのようなものですか?

専用の「蛍光ローション」を手に塗り、普段通り手洗いをした後、ブラックライト(紫外線ランプ)を照射することで、洗い残した部分が発光して目視確認できる食育・衛生教育用キットです。給食当番の指導や保健の授業で絶大な効果を発揮します。

根拠資料: 日本学校保健会『感染症予防教育教材』

(2026.10)

『学校環境衛生基準の理論と実践』などの公式マニュアルはどこで入手できますか?

文部科学省のホームページ内、または公益財団法人日本学校保健会「学校保健ポータル」から、最新改訂版のPDFファイルを無料でダウンロード・閲覧できます。

根拠資料: 文部科学省HP『学校環境衛生管理マニュアル』
(2026.10)

「学校環境衛生検査」の備品や消耗品の購入費用は、どこが負担すべきですか?

学校環境衛生検査は、学校保健安全法第19条に基づき「学校の設置者(市立学校であれば市教育委員会)」に義務付けられた法定業務です。検査機器の整備費や試薬等の消耗品費は、設置者が予算措置して負担すべきものです。

説明の際は昭和33年の文部省通達および現行法規を提示して市町村教育委員会へ予算要求を行ってください。

根拠資料: 学校保健安全法第19条 / 文部省通達『学校環境衛生設備整備について』

(2026.10)

その他

感染症を防ぐために、園でのおもちゃの清掃、消毒はどのようにしたらいいか?

コロナウイルスやインフルエンザは飛沫による感染が主ですので、環境の消毒より換気が重要になります。ただし飛沫が付着し、口に入るような場面では環境の消毒も必要です。
詳しくは「園で使用するおもちゃについて、感染を防ぐ清掃、消毒法」を参照ください。

(2022.02)

酸化チタンの光触媒スプレーについて
体育館で使用するマットや跳び箱に、コロナの除菌対策として光触媒スプレー(酸化チタン)を購入した。どのようなことに気を付ければよいか?

基本的にはマットや跳び箱を消毒する必要はありません。使用の前後に手洗いをすればよいです。
マット等に付着したコロナウイルスに関しては3日ほどで死滅するといわれています。酸化チタンは光があたることにより抗菌効果が発揮されますので、体育館のマットや跳び箱にウイルスがついた後、どの程度の光をあびて殺菌できるのかは不明ですので効果を期待しないことです。
なお、酸化チタン自体は日焼け止めクリーム等にも使用されていますので人体に対する安全性は高いですが、吸入毒性について、動物実験において酸化チタンが肺に入ると長期にわたって蓄積し、炎症が起きるという報告があります。スプレーする際には吸い込まないようマスクを厳重にするなど、注意が必要だと思います。

参考文献
光触媒皮膜による抗菌作用とその効果~酸化チタン皮膜と酸化亜鉛皮膜~山口靖英、表面技術、p16-19、vol50,no3.1999
労働安全衛生そうごう研究所特別研究報告 JNIOSH-SRR-No45(2015)https://www.jniosh.johas.go.jp/publication/doc/srr/SRR-No78-3-0.pdf
(2021.10)

児童生徒を保健室のベッドで休ませた後の寝具について、感染予防のためにどのような対応をしたらよいか?
現在は洗濯可能なものに限って、アルコールでもみ洗いをした後に洗濯機で洗っていますが、洗濯不可なものを含め正しい対策方法を知りたいです。

新型コロナウイルス対策に関しては、使用後の寝具(枕カバー、シーツ等)は通常の洗濯でウイルス除去可能です。アルコールでのもみ洗いは不要です。嘔吐などがあり、ノロウイルスが考えられる場合には、次亜塩素酸ナトリウムでの対応となります。
洗濯できないもの(布団、マットレス、枕など)は天日干しができなければスチームアイロンであて布をして十分に熱と蒸気をあてて乾燥させるという消毒方法があります。
敷布団にはあらかじめ、使い捨ての介護用防水シートなどを敷いておくことも可能と思います。
学校の対策として、具合が悪い場合は保健室の専用ブースで、迎えが到着するまで横になる場合には寝具は使わず(洗える簡単な寝具のみ使用)、アルコールですぐに消毒可能な素材のソファーベッドなどを利用されているところが多いようです。
(2021.10)

コロナ禍で換気や消毒を行うことなど今までと違う環境に変化したことにあたり、今まで以上に気をつけた方がよい学校環境衛生について、何かあれば教えていただきたいです。

学校における二酸化炭素の基準値は1500ppm以下ですが、建築物衛生管理基準では1,000ppm以下のため、換気が頻繁にできているかの指標としては1000ppm以下を目標にしてください。
また、空調設備はほとんどが内気循環です。そのため、冷房運転中でも、対角線2方向の窓を開けるなどして外気をとりこんでください。
外気を取り込める設備にはロスナイ換気の設備があります。
(2021.6)

コロナ禍の今やインフルエンザ流行期の換気について、どのくらいの頻度で行うのが適切なのか教えてください。

上述しましたが、最低でも対角線2方向の窓は常に開けておくこと。できれば4方向空いておくと外の天気に左右されず換気ができます。
どの程度解放すればよいかは下関薬剤師会のツールにて計算してください。また二酸化炭素濃度が1000ppm以下であること。
(2021.6)

新型コロナウイルス感染症拡大防止のために、養護教諭の専門性を生かして具体的にどのような感染予防対策を行うとよいのでしょうか。
水泳授業を行うに当たっての新型コロナウイルス感染予防対策やその他プールでの感染症の予防のために、どのような対策を行うとよいのでしょうか。

文科省の 学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル~「学校の新しい生活様式」~をしっかり参考にしてください。
水泳授業にあたっては更衣室での密を避けるよう工夫すること。また、児童生徒が使用するタオルやゴーグルなどの私物の取り違えや貸し借りがないよう指導することが重要です。
なお、プール水の残留塩素濃度が0.4mg/l以上あることを確認してから入泳させてください。
(2021.6)

新型コロナウイルス感染症の流行に伴う学校環境衛生の留意点

新型コロナウイルスの流行はほぼ飛沫感染が原因です。学校においては、換気、手洗いをしっかり行ってください。
オゾンや次亜塩素酸水の噴霧機械等は不要です。経費をかけるとすれば、教室の換気システムの見直しやトイレ・手洗い設備の整備をしてください。
(2021.6)

コロナ禍における効果的な換気について

教室によって風の入り方が違いますので、それぞれ外気が導入されるよう風の通り道を確認してください。
空気が滞りやすい場所においては、扇風機などを上手に使用してください。
(2021.6)

学校の環境衛生について、学校環境衛生検査以外に学校薬剤師とどのような連携が可能なのか知りたいです。
また今までの経験の中で、効果的であったと感じたものがあれば教えてください。

専門性を生かした医療現場の情報提供と、学校現場の提供できる範囲の情報の共有が出来れば、お互いの活動にメリットがあります。
今回、研修会の内容で、学校が避難場所になった場合の対応について情報提供を行い、大変参考になったということがありました。
お互いの立場で入ってくる情報が違いますので、その内容を共有できる関係、連携を作ることが大切です。メールを使用しての情報交換は、大変役立ちます。
(2021.6)

総合支援学校においての消毒について ボール(ゴム製、革製)、マット類(体育器具)、共用粘土、鍵 についてどうしたらよいか教えてください。

基本的にこれらの共用用具は使用したあと、手洗いを推奨しており、用具の消毒は不必要と考えます。
ただし、どうしても消毒したい場合は以下のいずれかの方法で行って下さい。

1. エタノールの清拭(ただし、ゴムと革は変質の恐れあり)
2. 0.05%次亜塩素酸ナトリウムの清拭(漂白、変質の恐れあり)
3. 0.05%塩化ベンザルコニウムの清拭
4. 界面活性剤(0.2%アルキルアミンオキシド等)の清拭

革やゴム製品は界面活性剤のほうが変質しにくいと考えられます。
経産省のポスターを参照してください。
https://www.meti.go.jp/press/2020/05/20200529005/20200529005-1.pdf


共用粘土に関して、放置しておけば物体の表面に付着したウイルスは3日以内に死滅します¹›。
どうしても気になるなら、手袋をはめて使用させるのはどうでしょう。

また、鍵について、持ち手の部分のみ1日1回 消毒用エタノールで清拭してください。

参考資料:国立感染症研究所 感染症情報センター
1)http://idsc.nih.go.jp/disease/sars/update56-data.html
(2020.10)

感染症拡大防止のため、マスク着用・換気の徹底をしていますが、夏場に冷房をつけて教室温度を維持しながらの換気はどのように行ったらよいのでしょうか。

夏場の冷房時、雨の日の換気は重要です。エアコンにロスナイがついている、または教室に換気扇がついている場合は窓を開けずとも換気ができます。換気扇等がない場合、教室の対角線を20センチほど開けましょう。欄間があれば開けること。また休憩時間には全窓を開放しましょう。
(2020.10)

コロナウイルス対応に係る校舎内の消毒について どこを何を使ってどの程度行うのが適当か。記録はどのようにとるのが適当か。

どこを?:手指が良く触れる場所(ドアノブ、水の蛇口、手すり、窓枠、スイッチ)
何を?:60vol%~81.4vol%エタノール もしくは 0.05%次亜塩素酸ナトリウム液
どの程度?:1日1回 記録:☑欄を作って日常点検表に記入する。
(2020.10)

新型コロナ感染症の対応として、保健室の環境衛生で気を付けるべき点を教えていただきたいです。(保健室ベッド使用後の対応など)

ベッドは発熱者専用にするなどエリアを分けてください。インフルエンザと同じ対応でよいと思います。また、接触感染を起こさないような動線を考えてエリアを分けたらよいと思います。
(2020.10)

鳥などの動物による敷地内の汚染にどのように対応していけば良いか。

動物の糞で汚染された箇所は0.1%次亜塩素酸ナトリウム液で消毒してください。
(2020.10)

次亜塩素酸水が学校へ配布されたが、ピューラックス等と本当に同等またはそれ以上の効果があるのか。また、遮光できる容器等は学校にないが効果的な使い方はあるのか。

文科省から指針が出ましたが、次亜塩素酸水の効果について、次亜塩素酸水自体様々な種類があり、ひとくくりでは効果を標榜できないため、今のところ推奨できません。このような製品は効果があると記載してあっても法的責任のある標記ではありません。学校においては、空間噴霧はしないでください。
一般的にいえることは、次亜塩素酸水は微酸性のため、次亜塩素酸ナトリウム液より低濃度で効果があります。しかし、製品の化学的安定性が悪いこと(どんどん分解されていきます)、有機物、木材性質(ペーパータオル、木の手すり等)で容易に塩素が失活することに注意してください。つまり、一般的な手指の消毒には使えません。環境消毒として清拭する程度にしてください。
(2020.10)

新型コロナ感染症対策において、ドアノブなどの消毒を1日1回以上するようにありましたが、アルコールで行う場合と、塩素系漂白剤を薄めて行う場合について注意点などを伺いたい。また、最近聞くようになった次亜塩素酸水についてどのように使用すればいいのかも併せて伺いたい。

アルコール:引火性があるため、火気厳禁。電気のスイッチなどには噴霧しないこと。(ペーパータオル等に噴霧して清拭する)

次亜塩素酸ナトリウム:小分けの容器は遮光のものにすること(容器をアルミ箔で覆うという工夫で可)。遮光気密容器であれば専用の布(きれいな雑巾)で清拭する方が望ましい(布に噴霧して清拭するのなら可)。ペーパータオルはパルプ素材のものは塩素が失活しやすい、レーヨン素材なら可。金属腐食性があるので、金属部分は清拭後、水拭きしてください。

次亜塩素酸水:分解されやすいため、使用する場合は濃度がきちんと保たれているか試験紙などで確認することを薦めます。また、次亜塩素酸ナトリウムより濃度が低いため、有機物や汚れで容易に不活化されます。そのため、布に噴霧して清拭するか、対象物に噴霧してペーパータオル等で清拭してください。次亜塩素酸水においても金属腐食性はあります。金属部分は清拭後、水拭きを推奨します。

(2020.10)

学校の消毒に用いる希釈した消毒液は、使用のたびに作り替えたほうがいいのでしょうか。

希釈後の次亜塩素酸ナトリウム液は遮光気密の容器内では比較的安定です。アルミホイルをまいたペットボトルなどで1か月は大丈夫です。しかし、直射日光下での保存は数時間で効果がなくなるので注意が必要です。
塩化ベンザルコニウムを希釈した液は化学的には安定ですが、細菌に汚染される場合があるので3か月を目途に作りかえてください。
(2020.10)

感染症に対する消毒液について、教えていただきたいです。(有効な消毒液や取扱いの注意など)

消毒薬の使い方を先生方にしっかり周知してください。自分の常識と他人の常識は違います。
消毒における清拭とは消毒薬を浸した布(ペーパータオル)で拭くことです。
噴霧のボトルを使用する場合はきちんと布やペーパータオルで塗り広げてください。
二度拭きとは、一度清拭した部分の消毒薬を水拭きなどで除去することです。消毒薬を清拭後、15分ほどたってから行って下さい。金属腐食作用のある消毒薬、また化学的に変質しやすい材質の表面ではこの作業が必要になります。
下にまとめました。参考にしてください。

学校で流行する感染症と使用する主な消毒薬について   
1.学校で流行する主な感染症と感染のルート

空気感染:結核、麻疹、水痘

飛沫感染:百日咳、マイコプラズマ肺炎、風疹、流行性耳下腺炎、インフルエンザ、

新型コロナウイルス

接触感染:腸管出血性大腸菌、ノロウイルス、ロタウイルス、流行性角結膜炎、

新型コロナウイルス

2.感染症の伝播予防

空気感染:N95マスク、陰圧(学校への出席停止)

飛沫感染:マスク、手洗い、空気の換気(全校集会を避ける)

接触感染:手指の触れる箇所の消毒、感染源の消毒

★空気感染、飛沫感染の感染症について、基本的に環境消毒は必要ない。

 新型コロナウイルスに関しては、無症状の人が接触感染することがあるため、環境消毒が必要になる。

3.感染症発生時に使用する消毒薬

学校で主に流行する感染症への対応についてまとめています。

★消毒用エタノールを使用するのが望ましいが、エタノールの供給不足のため、コロナウイルスに関しては食品添加物エタノールでも濃度が60~81.4vol%あれば許容できる。

感染症名

消毒部位

消毒薬

備考

新型コロナウイルス

ドアノブ・手すり等手指接触部位

消毒用エタノールでの清拭

0.05%次亜塩素酸ナトリウムの清拭

感染者が出た場合、トイレ周りは0.1%次亜塩素酸ナトリウムで清拭

ノロウイルス

ロタウイルス



嘔吐した教室の床など

トイレ

0.1%次亜塩素酸ナトリウム

(ハイター®、ミルトン®)

を浸した古布で拭き取る。

嘔吐部位でなければ

0.02%(200ppm)でよい。

漂白されて困る箇所は

消毒用エタノールで浸漬

嘔吐した衣類

リネン

0.1%次亜塩素酸ナトリウム

(ハイター®、ミルトン®)

に30分以上浸漬後、洗濯

流行性角結膜炎



ドアノブ、手すりなど手指接触部位

消毒用エタノールでの清拭



腸管出血性

大腸菌

トイレ

ドアノブ

消毒用エタノールでの清拭



便のついた衣類

0.1%次亜塩素酸ナトリウム

(ハイター®、ミルトン®)又は

0.1%塩化ベンザルコニウム

(オスバン®)液に30分浸漬後、洗濯




(2020.10)

感染症対策で校内の日常の消毒方法等について

文科省がマニュアルを出していますので参考にしてください。
児童生徒が良く手に触れる箇所と書いてありますが、先生方の手の触れる箇所も注意です。
不特定多数の人が手に触れる所を消毒する、という概念で校内を見ればおのずとわかります。
よって、床を消毒する必要はありません。
(2020.10)

感染症予防のための環境衛生について(学校でするべきこと、できること)

換気・手洗い・手が良く触れる環境表面の消毒の3つです。文科省のマニュアルを参考に、それぞれの学校の規模に合わせて行っていってください。
(2020.10)

次亜塩素酸水の使用期限について

学校薬剤師部会では、学校等で購入された様々な銘柄の次亜塩素水について調査しています。ほとんどのメーカーが次亜塩素酸ナトリウムと希塩酸を混和させた製品であり、期限が製造日より6ヶ月から1年とありました。
これらの製品について、開封後の経時的な濃度変化を同じ条件で調査したところ、いずれの製品もゆっくりと濃度が低下することがわかりました。
(→資料参照)
また、表示濃度と実際の濃度が異なるものが多く見受けられました。
気密容器での保管であっても経時的に濃度が低下するため、期限内であっても配布されたものに関しては、早めに使用されることを推奨します。なお、夏場の直射日光では1日で濃度が0となります。小分けした場合、容器内の温度が高くならないよう、直射日光を避け、気密容器での保存を推奨します。
(2020.6)

速乾性手指消毒アルコールが不足しているため、代わりに次亜塩素酸水の購入を薦められましたが効果はありますか?

弱酸性次亜塩素酸水は50~200ppm(0.005%~0.02%塩素濃度)で販売されています。80ppm以上であれば環境清拭での消毒効果があるというデータが経産省から発表されました1)。しかし、手指消毒剤に使用することはすすめられません。有機物(汚れ)で消毒成分の塩素濃度が失活するため、汚れた手に擦りこんでも効果は薄いと考えられます。手をしっかり洗う方が有効です。

★次亜塩素酸水を環境の清拭として使用する場合
・80ppm以上の濃度が必要です。
・事前に対象物の汚れは除去しておくこと。
・布巾に浸漬して使用する場合、浸漬後はすみやかに使用すること。
・ペーパータオルに浸み込ませると短時間で有効成分が失活するので、十分な量を噴霧し、拭き取る際に使用すること。
・参考文献:次亜塩素酸水を使ってモノのウイルス対策をする際の注意事項(経済産業省)
      https://www.meti.go.jp/press/2020/06/20200626013/20200626013-4.pdf


~学校における消毒剤の使用方法について 補足事項~
★アルコールについて
 噴霧消毒では、消毒薬が十分に接触しない部分があるので、清拭の方が良い。手すり、ドアノブなどの手指頻回接触部位へは噴霧だけではなく清拭してください。
★次亜塩素酸ナトリウム液について
 濃度(0.05%~0.1%)が推奨されていますが、明らかな汚れがない場合は0.05%程度の濃度で十分です。感染者がいると考えられる場合、トイレ周りは0.1%を使用してください。
★住居用洗剤(界面活性剤)について
 新型コロナウイルスに関しては効果がありますが、インフルエンザウイルスやノロウイルスには効果がありません。また、間違えて口に入れると安全でないものがありますので給食に関係する物品には使用しないでください。
★空間除菌剤の使用について
 空間噴霧は消毒としては認められておらず、安全性も保障できません。そのため学校では使用しないでください。学校の教室では換気をする方が有効です。エアコンを作動させていても常時、もしくは30分に1回以上、数分間、窓を全開して換気をしてください。

参考資料:新型コロナウイルスに有効な消毒・除菌方法(経済産業省)
        https://www.meti.go.jp/press/2020/06/20200626012/20200626012-1.pdf

(2020.7更新)

子ども自身が環境衛生について主体的に考えるようにするにはどのような支援ができるか?

子供たちで出来る日常点検は、子供たちに実施してもらうことも有効です。机の破損や照明器具の破損など子供たちに実施してもらえば、子供たちの環境衛生への意識は向上すると思います。子供たちが養護教諭と一緒に、朝、水道水の塩素濃度を測定している学校もありました。
(2020.10)

学校環境衛生において学校薬剤師との連携の仕方、学校薬剤師や他機関との具体的な連携について

連携とは、お互いの専門性を生かして、共同で対応していくことです。
学校薬剤師は、薬剤師という専門性を生かし、養護教諭は常に子供たちと向き合い、細かな変化を察知しながら安心で安全な学校環境衛生作りを行います。
連携は、お互いの専門性を発揮してこそ出来るものであり、一方的な行動では成り立ちません。
他機関と連携する場合、養護教諭は相手の専門性が生かされやすい様な情報提供を行っていけば連携が構築されると思います。
(2020.10)

臨時の環境衛生検査が必要になった事例について知りたい。そのような場合に、養護教諭や薬剤師等がそれぞれ具体的にどのような動きをして連携するのか。

体育館の耐震工事が始まり、授業中も工事の音が大きく、先生の声が聴きづらいので、臨時検査として騒音を測定し、結果を業者に提示。その後の対策として、授業時間内は極力、音の出る工事は避け、授業が終わってから音の出る工事を実施するようになった。
臨時検査で騒音を測定し、客観的に判断できる方法でお願いすることで、業者も協力してくれた。
学校の状況を具体的に情報提供することが大事です。
その他、水害で被害を受け休校となり、再開した時など通常でない状況が発生した時に臨時的に環境衛生検査を行います。
(2020.10)

保健室を空けられず、普段どのような状況で生徒が授業を受けているか見ることができていません。周囲の先生方に頼っても良いものでしょうか。

養護教諭も子供たちの学校での状況を把握することは大事な事だと思います。最初は言い難いかもしれませんが、自分の思いを伝えることは、大事です。
(2020.10)

検査後、結果を先生方にどのように周知したらよいか

異常値が出た場合は、学校薬剤師は、コメント、対策等を報告書に記載するようにしています。
基準より高い数値になった時の子供たちへの影響など資料があれば添付して報告すれば、先生方の意識も変わると思います。
(2020.10)

熱中症予防のための水の摂り方について教えてください?

*規則正しい食生活(水分が多く含まれる野菜や果物などは脱水対策に適しています)
*1日8回を目安にこまめな水分補給
*水分補給方法は年齢によって異なります小中高生は自由に水分摂取できるように・・・
*運動時、のどが渇いたと感じるときは脱水に近づいています。感じる前に定期的に摂ってください
(2019.10)

脱水予防に摂る水分として経口補水液は塩分が多いため、清涼飲料水の方が子供にはよいと聞いたのですが・・・。

塩分に関して、必要な時にとる水分と塩分量となるので問題ありません。例えば、1日中経口補水液ばかり飲んだり、毎日毎日、継続的に飲むようなことがあれば、とりすぎになるかもしれません。その時の体調にあった水分の種類を補給してください。
(2019.10)

日常点検などでもし数値が適正値に達していないなどの異常を発見したときにどのような手順をふんだらよいでしょうか。

学校薬剤師とともに異常値の原因を考察し、その原因の有無を焦点に合わせた定期検査、あるいは臨時検査を実施します。
定期検査、臨時検査で異常値となった場合は設備改善を要望して下さい。
(2019.9.7)

日常点検の際に、特に注意しなければならないことは、どのようなことでしょうか。

日常点検の記録は法律によって3年間保管することが義務づけられています。又、異常が感じられない場合でも、「異常なし」ということが分かる記録のつけ方をするようにして下さい。
(2019.9.7)

日々の学校生活の中で養護教諭が環境衛生について気をつけるべきことは何ですか?

まずは学校環境衛生基準に沿って日常点検を行い、年間計画通りに定期検査をすすめることです。
そのうえで、不測の事案については、いつでも遠慮なく学校薬剤師にお尋ねください。
(2019.9.7)

日々の学校の安全点検でどのような所に着目して校内巡視をしていけばよいでしょうか。

児童・生徒が利用する場所については、児童・生徒と同じ目線で、五感で感じながら実施することが望ましい。
普段から、児童・生徒の声に耳を傾けることが早期発見につながります。
転倒やケガ発生場所マップの活用、トイレ設備の安全確認等を行って下さい。
(2019.9.7)

定期点検の中で、実際に実施するのに困難さを抱えているような項目はありますか(県内で)。
学校環境衛生を保つために心がけるとよいことを教えていただきたいです。

検査器具、設備がなく、実施不可能なもの、例えば、飲料水検査、プールのトリハロメタンなどは実施困難といえます。
学校薬剤師が実施困難なものはその都度お知らせしますので、専門業者に依頼する等の必要があります。
心がけることは、学校環境について朝の教室点検時だけでなく、開校時間帯をとおして観察することが大切です。
また、トイレや手洗い場、昇降口等の共用場所の衛生管理も必要です。
(2019.9.7)

インフルエンザ・感染性胃腸炎発生時の教室等の環境衛生方法について

インフルエンザは飛沫感染で伝播します。
そのため、環境消毒は必要ありませんが、流行時は教室の頻繁な換気、手洗いの徹底、マスクの着用が必要です。
感染性胃腸炎(ノロウイルス)は接触感染で伝播します。
流行時には手洗いの徹底、トイレ周辺の手指が頻繁にふれる所はアルコール入りのウェットクロス等でしっかり清拭してください。
(2019.9.7)

手指消毒液について

学校においては基本的には手洗いが第一選択です。
ただ手洗いが困難な場合においては手指消毒薬で対応してください。
ジェルタイプの方が飛散は少なく使用しやすいと思いますが、噴出口にこびりついて糊化しやすく、思わぬ方向へ飛び出ることがありますので注意してください。
(2019.9.7)

出務回数や内容などは学校によって違うのでしょうか。

学校の設備等により(プールの設置がない、給食室がない等)検査項目の違いから執務回数は変化しますが、内容に関しては「学校環境衛生基準※」に従うため違いはありません。
※一部の学校では「ビル管理法」の適応を受けます
(2019.9.7)

県学薬や各支部で保有の機器類の精度検査はどのように実施しているか?

検査機器の校正は費用が結構かかります。中には新しく購入した方が良いのでは?というのもあります。それぞれの機器メーカーに問い合わせるのが一番良いでしょう。
照度計であれば、一番新しい物と一緒に並べて測定すると、ある程度の誤差を補正値として判断出来るでしょう。
CO2は、検知管を用いれば誤差はありません。照度計同様、デジタル測定機も検知管と並べて測定し、誤差があれば補正すると良いでしょう。
(H29.10.01)

定期検査は各項目ごとに年に何回実施すべきか定められているが、実際検査をしていない項目もある。本校の薬剤師は「一度検査をして基準値を大きく下回った場合は毎年検査しなくてもよいという決まりがある」と言われた。その決まりについて教えていただきたい。(法律名やその内容)

文部科学省の定めた「学校環境衛生基準」ですが、検査を省略できるのは、騒音(測定結果が著しく基準値を下回る場合には、以後教室等の内外の環境に変化が認められない限り、次回からの検査を省略することができる。なお、著しく基準値を下回る場合とは、窓を閉じているときはLAeq45 デシベル以下、窓を開けているときはLAeq50 デシベル以下とする。)と、揮発性有機化合物(高速液体クロマトグラフ法で測定した場合のみ、基準値の1/2以下出あり、また、備品の搬入や改装など、ホルムアルデヒド及び揮発性有機化合物の発生を及ぼす変化がない場合のみ、次回からの検査を省略できる)です。また、一酸化炭素、二酸化窒素は、燃焼器具を使用しない場合、発生しませんので、検査の必要ありません。
(H27.11.11)

水筒、やかんなどの金属製の容器の内部の傷やさびがあると、乳酸菌飲料などの酸性の飲み物を長時間入れると、金属が溶け出すことがありますかか? それを、飲んで中毒症状になることがありますか?

実際に多くの水筒に、「長時間スポーツドリンクを入れっぱなしにしないでください」などの注意書きがあります。メーカーよっては、ステンレス製でフッ素コーティングをしっかり施行したもので、スポーツドリンク対応の物も販売されています。こういった商品や、プラスチック製の物であればより安全であると思われます。
いずれにせよ、定期的な買い替えや、洗浄時にキズやサビのチェックが重要かと思います。
また、洗浄と合わせて、定期的な殺菌も重要です。スポーツドリンクは糖分を含んでいますし、麦茶も栄養価があり、その栄養分で細菌が繁殖しやすくなります。特に夏は湿度・気温が高く、より繁殖しやすい状況にあるといえます。飲み口部分、パッキン部分など特に注意が必要です。

象印マホービン株式会社のホームページにステンレスボトルのよくあるご質問に以下のようなものがあります。

入れてはいけない飲み物はありますか?

保温効力の低下や故障の原因になりますので、以下の飲み物は入れないでください。

●入れてはいけないもの
1.ドライアイス・炭酸飲料
本体内の圧力が上がり、中せんが開かなかったり、圧力によっては内容物がふき出たり、中せん・コップなどが破損して飛散することがあり危険です。
2.みそ汁・スープ・昆布茶など、塩分を多く含んだもの
本体内側はステンレスにフッ素樹脂コーティングを施していますが、さびる恐れがあります。
また、スポーツドリンクは使用できますが、使用後は本体内側を速やかに水洗いしてください。さびる恐れがあります。
3.牛乳・乳酸料・果汁・清涼飲料水など
成分が腐敗することがあります。そのまま長く放置した場合は、腐敗によりガスが発生し、本体内の圧力が上がり、内容物がふき出たり、中せん・コップなどが破損して飛散することがあります。
4.果肉・お茶の葉
つまる、漏れるなど故障の原因になります。
(H25.7.19)

最近増加しているノロウイルスについて教えて下さい。

ノロウイルスに関する正しい知識と予防対策等ついて理解を深めていただきたく、厚生労働省において、ノロウイルス食中毒に関するQ&A(平成16年2月4日)を作成しています。
また、ノロウイルス感染症の二次感染を防止するために[監修:北海道保健福祉部疾病対策課]PDFファイル(648KB)も参考にしてください。(2005.01.11)